姉弟で築き上げた、ジャニーズ事務所の歴史――藤島メリー泰子氏「営業能力は神業」「母親的な存在」知られざる実績と素顔
ジャニーズ事務所の、実質的な経営者はメリーさんだとよくいわれる。ジャニーズ本にも、そういった記述が多い。
<だいたいジャニーというのは名ばかりの社長で、実権はメリー喜多川が握っているのだから>(『さらば!! 光GENJIへ』)
<タレントの発掘や育成はジャニーさん担当、事務所の経営、タレントの管理はメリーさん担当、などとよくいわれます>(『ジャニー喜多川さんを知ってますか』江木俊夫/小菅宏・KKベストセラーズ)
<メリーさんのすごさは営業面だ。あれだけ大勢の、それも秒刻みのスケジュールを持つタレントをかかえて、まったくトラブルなく回していけるメリーさんの営業能力は、ほとんど神業に近いものといえる>(『昨夜未明、大沢樹生が死にました…』大沢樹生・カンゼン)
表に立つ弟・ジャニーさん、裏から支える姉・メリーさん。“執権”とか“摂政”とか、社会科で習った言葉が浮かんでくる。また、豊川誕はメリーさんを<怒り役のお父さん>、そしてジャニーさんが、<怒られた少年たちを慰めるお母さん>と表現している。元フォーリーブス・江木俊夫も、
<どちらかというとジャニーさんは女性的心理、メリーさんは男性的心理で物事に対処します。そのバランスの中で二人の世界が構築されていったのが、ジャニーズ事務所の歴史といえるでしょう>
と書いている。メリーさんがお父さんポジションで、ジャニーさんがお母さんポジション。そう考えると、仕事面での関係性もわかりやすい。
とはいえ、愛情をたっぷり注がれるタレントにとっては、メリーさんは、第2のお母さんでもある。「文春」記事で個人的に好きだったのが、事務所から独立したトシちゃんが、いまも、「ハーイ、マミー!」とやってくるというくだり。ここからも、メリーさんの慕われ具合はうかがえる。