サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュー『ザ・ノン』女装に生きる人生 芸能 『ザ・ノンフィクション』レビュー 『ザ・ノンフィクション』女装一筋に見る、類まれなオタク人生「女装と家族と終活と ~キャンディさんの人生~」 2021/08/02 16:45 石徹白未亜(ライター) 『ザ・ノンフィクション』レビュー キャンディがオタクとして類いまれな理由 放送を見て、キャンディのことをオタクとして尊敬の念を思いを抱いた。まず対象(女装)への深い愛がある。同人誌即売会などで気合の足りないコスプレを見ると、本当に対象を愛しているのかと思ってしまうが、キャンディのコスプレは小道具まで手が込んでいてクオリティが高いのだ。 また、キャンディはただ女装がしたいだけであり、バズりたいといった「他人の顔色をうかがう感じ」が一切ないのもいい。私がキャンディだったら、せっかく手間暇かけて衣装を作るならSNSでバズりたいと、今はやっているコンテンツの女子キャラクターのコスプレをしよう、とスケベ心を出していたと思う。そして思ったよりバズらなかったら、別に頼まれたわけでもないのに、「こんなに努力したのに報われなくてつらい」と勝手に被害者意識を募らせたかもしれない。 キャンディの行動には、こういったしょうもない意識が一切ない。他人を全く気にしておらず、「自分の楽しさ」だけにひたすらフォーカスしている。 キャンディは女装して街を歩いて人の反応を見るのが好きなのだが、どの反応でも面白がっているように見えた。「肯定的、好意的な反応しか見たくない」「否定的な反応をされたら立ち直れない」という弱さがない。こういう人こそ強い人というのではないかと思う。 次のページ キャンディと多くのオタクとの相違点 前のページ1234次のページ 楽天 女装と日本人 関連記事 『ザ・ノンフィクション』 わだかまりのある親の最期に何を話す?「最期の願い ~父と息子と家族の2週間~」『ザ・ノンフィクション』オタク業界とやりがい搾取の関係「ここでしか生きられない私~34歳 秋葉原メイド物語~」『ザ・ノンフィクション』父からの仕送りにも「反省しない」、夢を追う27歳芸人「ボクがなりたいもの~芸人になる。と上京した娘~」『ザ・ノンフィクション』40年前は6万匹以上、100倍あった動物の殺処分『はぐれ者とはぐれ猫 ~小さな命を救う男の闘い~』『ザ・ノンフィクション』里親と娘、そして20年連絡のなかった実母からの手紙「ママにしてくれてありがとう~血のつながらない母娘の12年~」