『ザ・ノンフィクション』オタク業界とやりがい搾取の関係「ここでしか生きられない私~34歳 秋葉原メイド物語~」
オタクのもちも、アイドル志望だったあずにゃんにとっても、HEART of HEARTsは特別な場所なのだろう。しかし、労働に「自分の個人的な思い入れや思い出」はあまり混在させないほうがいいように、二人を見ていて思った。もちもあずにゃんも行動は自主的なのだが、正直「やりがい搾取」的なものを感じてしまったのだ。
しかし、こういったオタク業界で働く人は何もメイドカフェに限らず、「これが生きがい」「これが私の居場所」「これが私の全て」という熱烈な思いを抱く傾向があるだろう。それゆえ、やりがい搾取されやすい業界だと思う。
一方で、ここまで情熱のある人たちが、仮に別のカタギの仕事につき「オタ活」は趣味と割り切ったところで、自分のやりたかったことを本業にできなかったという後悔を引きずり続けるかもしれない。「好きを仕事にする」難しさを思う。
番組の最後、もちのメイド10周年記念イベントで、有志より送られた花輪には「もうちょっとゆっくりしませんか」とメッセージが添えられていた。横になると寝すぎてしまうからと体育座りやソファーにもたれかかって寝ることが多いもちには、とりあえずちゃんと夜、自宅の布団で横になってぐっすり寝てほしい。いつも仮眠のような姿勢で「ちゃんと寝ないようにする」ことが日常になっていることの異常さに早く気づいてほしい。
次週の『ザ・ノンフィクション』は「最期の願い ~父と息子と家族の2週間~」。60歳の父・静徳は首の骨にできたがんの影響で、首から下を自力で動かすことができない中、緩和ケア病棟から自宅に帰る。静徳は自身が校長を務める小学校の卒業式に出席し、生徒たちに思いを伝えたいという夢がある。一方、33歳の息子・将大。幼いころからいじめを受け、父親である静徳は家庭のことは妻に任せきりだった。父と息子の間の過去にできた溝と、今の生活について。
関連記事
『ザ・ノンフィクション』父からの仕送りにも「反省しない」、夢を追う27歳芸人「ボクがなりたいもの~芸人になる。と上京した娘~」
『ザ・ノンフィクション』40年前は6万匹以上、100倍あった動物の殺処分『はぐれ者とはぐれ猫 ~小さな命を救う男の闘い~』
『ザ・ノンフィクション』里親と娘、そして20年連絡のなかった実母からの手紙「ママにしてくれてありがとう~血のつながらない母娘の12年~」
『ザ・ノンフィクション』子どもを捨てた母、捨てられた娘20年ぶりの再会「酒と涙と女たちの歌 ~塙山キャバレー物語~ 後編」
『ザ・ノンフィクション』茨城ディープ・ママたちに癒やされる「酒と涙と女たちの歌 ~塙山キャバレー物語~ 前編」