コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

メイプル超合金・安藤なつは、“モラハラ妻”と決めつけられない? 山田花子、虻川美穂子「オンナ芸人の夫」の“共通点”を読み解く

2021/07/01 21:00
仁科友里(ライター)

 オンナ芸人の夫婦で問題になるのは、カネだけとは限らない。北陽・虻川美穂子の夫はイタリア料理店のオーナーシェフ・桝谷周一朗氏だが、バラエティー番組『はねるのトびら』(フジテレビ系)で虻川から公開プロポーズをするなど、よくテレビで見かける夫婦でもある。2人が仲良しならば共演もアリだろうが、バラエティー番組で明かされるエピソードから考えると、そうとも思えない。

 たとえば、虻川が枡谷氏と手をつなごうとしても拒否されるとか、勝負下着を着けていても無視といったエピソードのほか、虻川の料理やファッションセンスにダメ出ししている枡谷氏の姿を見て、「この人は、本当に虻川を愛しているのか?」と思った視聴者は少なくないだろう。桝谷氏は虻川との結婚後、昔から大ファンだったという明石家さんまと何度か共演を果たしているが、大興奮するその姿からは、「芸能人と結婚して、芸能人とお近づきになりたい」といった思いがあるように感じた。

 幸い、花子も虻川もお子さんに恵まれ、夫婦円満にやっているようだが、2人の夫の「カネや芸能界の人脈に固執する姿」は、安藤の夫に共通する部分があるのではないだろうか。(3)のエピソードで考えると、ギャラがもらえないことから、夫は「安藤はカネに汚い」と思っているようだが、私に言わせると、ちょっと考えが甘い。

 日本のファッション雑誌でたまたま安藤を見かけて気に入り、オファーしたというリゾだが、彼女はグラミー賞にノミネートされるほどの実力者なので、PVに出演するならば、本来はオーディションが必要だったかもしれない。例えば、ドキュメンタリー映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』(09年)では、マイケル・ジャクソンの後ろで踊るために、世界中からダンサーが集まり、オーディションを受ける姿が収録されている。しかし、介護職に就く一般人の夫は、そうしたオーディションを受けていないはずだ。それなのになぜ、夫にもPV出演のオファーが来たかというと、「安藤なつの夫」だからだ。安藤のおかげで出演できたことをわかっていないから、夫は「家族にギャラを支払えない」と言われたことを「不当」だと感じるのだろう。

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