「テイラック」「キアガード」「五苓散」どれも同じ!? 低気圧頭痛や不調、薬剤師が「市販薬の違い」と「即効性」を解説
雨の日や台風が近づくと、頭痛がひどくなる、体がだるい、めまいがするなど、体の不調を感じる方もいるのでは? もしかしたら、それは「低気圧不調」かもしれません。まもなくやってくる梅雨に向けて、今回は低気圧不調の原因や予防法、対策法について、薬剤師の清水みゆき先生に教えてもらいました。
1.「低気圧不調」とは一体何? 原因と症状を解説
――「低気圧不調」は、なぜ起こるのでしょうか?
清水みゆき先生(以下、清水) 雨の日や台風の時期、頭痛やだるさを感じる低気圧不調の原因は、ズバリ「気圧の変化」。気圧が変化すると、自律神経のバランスが乱れ、さまざまな体調不良を起こします。特に、気圧が低下する時に不調を訴える方が多く、変化が急なほど症状が強くなりやすいです。
――具体的に、どのような症状が「低気圧不調」にあたりますか?
清水 「低気圧頭痛」という言葉があるように、頭痛を感じる方が特に多く、ほかにも、めまいやだるさ、肩こり、吐き気、気持ちの落ち込みなどの症状が出ることもあります。
――一般的に、どのような人が「低気圧不調」になりやすいのでしょうか?
清水 自律神経は生理や更年期など、ホルモンバランスの変化に影響を受けやすいため、女性は低気圧不調に悩むことが多いようです。また、もともと体に冷えがある、乗り物酔いをしやすい、ストレスが多い人も症状が出やすいので注意してください。
2.「低気圧不調」には「五苓散」が効果的
――漢方薬の「五苓散(ごれいさん)」を用いた「テイラック」(小林製薬)や「キアガード」(ロート製薬)などの市販薬は、「低気圧不調」の症状を抑えるといわれています。本当に効果は期待できますか?
清水 漢方医学では、低気圧不調は体内の水分のめぐりが悪くなり、停滞することが原因と考えられています。余分な水分が頭に停滞すると頭痛やめまいを引き起こし、胃腸に停滞すると吐き気や下痢、手足に停滞するとむくみや関節痛につながるのです。
五苓散は、猪苓(ちょれい)や茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)など、水分代謝の調整を行う生薬で構成されており、体内の水分バランスを整える作用があります。そのため、低気圧不調の中でも、特に頭痛やめまい、下痢、吐き気に効果的。なお、「テイラック」と「キアガード」はどちらも錠剤タイプの五苓散で、使われている生薬の量や種類に一部違いがあるものの、効果に大きな差はありません。