カルチャー
[女性誌レビュー]「婦人公論」2021年6月8日号

「大野担の86歳」「きよし推しの73歳」……「婦人公論」読者の”推し”は命と直結!?

2021/06/05 16:00
島本有紀子(ライター)

氷川きよしを推す73歳の生きざま

 読者体験手記のコーナー「財布のひもをゆるめて、いざ出発」でも、氷川きよしを熱烈に推す73歳女性の投稿が採用されています。ファン歴20年のこの女性は、きよしを「生きる希望」と表現。初めての生きよし、初めての出待ち、初めての着物でのライブ参戦など、数々の初体験がイキイキと描写され、トキメキが伝わってきます。

 そんな淡い思いだけで終わらないのが「婦人公論」読者なのでしょうか。投稿者は、「もし私が和楽器を演奏できたなら、近県でコンサートが開催されたときにお手伝いとして声がかかるかも」と、きよしとの共演を夢に見て、お琴を習い始めます。

 さらに近くで開催される『NHKのど自慢』にきよしがゲスト出演すると知ると、観覧だけでなく、出場にもエントリー。もちろん歌うのはきよしの曲。予選会での敗退が続いていて、さらに新型コロナのせいでコンサートも減り、現在はお琴の練習に励む日々だそうです。このようなたくさんのご高齢ファンの「生きる希望」、つまり寿命の要であり続けるきよしの背負う重圧は、想像を超えるものがありそう。ファンの健康とともに、きよしの心の平安も願いたくなる手記でした。

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