コラム
【連載】彼女が婚外恋愛に走った理由

「孫が生まれるんですよ」20年間の“婚外恋愛”と“年に一度のセックス”に終止符……彼女が「これ以上幸せな人生ってない」と語るワケ

2021/05/30 16:00
いしいのりえ
(C)いしいのりえ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃないか? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

 長引くコロナ禍の中、婚外恋愛関係に終止符を打ったカップルの話を多く聞くようになった。中には、ゴールがない婚外恋愛関係の「終わらせ方」がわからなくなり、「思わぬきっかけをコロナにもらった」と安堵する女性もいる。

 今回お話を聞かせていただいた真由美さん(仮名)も、その一人だ。

「いつこの関係をやめるんだろう、いつ別れるんだろう、って自問自答の20年間でした。本当にズルズルと……長いですよね、20年も。気がついたら子どもが結婚した上に、孫ができました!」

 真由美さんは、彼女自身のこれまでの人生と、「彼」との長い婚外恋愛について語ってくれた。

 真由美さんが婚外恋愛を始めたのは、今から約20年前のことである。

「40代に差し掛かる頃でした。子どもたちに手がかからなくなって、仕事に復帰した時です。子育てで一時的に家庭に入ることにまったく不満はなく、子どもたちはもちろんかけがえのない宝物ですが、それでも新しい仕事と職場は、全てがキラキラしていましたね。ああ、やっぱり私がいたい場所はここなんだって、実感しました。職場に身を置いて、日々学ばせていただくのが大好きなんです」

 大学を卒業し、苦労して資格を得てから、ずっと専門職についていた真由美さん。大学時代の同級生と再会、結婚し、妊娠を期に一度は専業主婦になったものの、元来の仕事好きが高じて、長年のブランクを経て職場復帰する。

 仕事柄多くの人々と出会う中で知り合ったのが、20年以上関係をつづけた「彼」であった。ご主人とは正反対の明るい体育会系で、真由美さんと同じく家庭を持つ「彼」からのアピールに根負けして、数回食事に行く関係から、ついに一線を超えたという。

「私は、物心ついた頃から、勉強ばかりしていました。小学校の頃の中学受験から始まって、それからずっと勉強、勉強……お恥ずかしい話ですけど、経験人数は2人です。旦那と、彼の2人だけ。正直セックスという行為自体は好きではありません。彼と一緒にいて、話を聞いて、お酒を飲んで、キスをして裸で抱き合う。そのドキドキ感と切ない時間が大好きでした」

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