中学受験の低年齢化が止まらない! 有名進学塾は小1段階ですでに定員オーバー、「落とし穴」にハマった親子も!?
“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。
今、小1から中学受験を視野に入れて塾通いする子が増えている。それは主に次の3つの理由で中学受験が過熱化しているからだ。
1つは、2020年度から始まった大学入学共通テストを中心とした「大学入試改革」。2つめが都市圏の私立大学に入学者が集中しないよう16年度から始まった「私立大学入学定員厳格化」。そして、追い打ちをかけたのが、3つめの「コロナ禍による私学優位のICT教育」である。
これらことが、大学受験、そして公の学校教育現場に先行き不透明さを感じる保護者の不安を煽る結果となっている。ゆえに、我が子の大学受験を視野に入れている保護者の「不安感の回避先」として中高一貫校が選ばれやすく、したがって中学受験が過熱しているのだ。
この波は低学年あるいは未就学児の親にも波及しており、それゆえ有名進学塾にはより低学年の親からの申し込みが殺到しているという現状がある。
小学2年生の息子を持つ裕奈さん(仮名)も、その一人。
「ウチの息子はこの春から塾に通うようになりました。息子の小学校は公立ですが、9割が中学受験組です。私も主人も公立育ちなので、何も低学年から受験塾に入れる必要はないとは思っていたのです。スタンダードな入塾時である新4年生から入ればいいとのんびりしていたんですが、ふたを開けてみたら、小1の段階ですでに有名塾Sは定員オーバー。運良く、欠員が出たので、小2で入れてもらえたのです。もし新4年生まで待っていたら、絶対にアウトでしたね」
裕奈さんの息子は今現在、週2回ある50分授業を楽しみにしているというものの、やはり、何事においてもそうだが、中学受験塾にも合う子と合わない子がいる。