サイゾーウーマンコラム“中学受験”に見る親と子の姿中学受験、有名塾は小1で定員に コラム “中学受験”に見る親と子の姿 中学受験の低年齢化が止まらない! 有名進学塾は小1段階ですでに定員オーバー、「落とし穴」にハマった親子も!? 2021/05/23 16:00 鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー) “中学受験”に見る親と子の姿 円形脱毛症になり、かかりつけ医に叱られた 大手進学塾の多くが成績順にクラス分けをしているので、子どもの世界であっても、微妙なヒエラルキーが生まれてしまう。最上位の子たちも決して太郎君を見下しているわけではないのだろうが、そこには見えない結界があるかのようだ。 「私は『そんな価値観の世界で生きるなんて意味があるのかな?』と疑問に思い、太郎に『嫌なら、塾をやめたって、受験をやめたっていいんだよ』と言うんですが、太郎が首を縦に振らないんですよね⋯⋯。『絶対に(最難関校である)Kに入る!』って。こんな成績で、入れるわけがないんですが⋯⋯。でも、私は私で、6年生のここまできているのに、本当に受験をやめさせていいのかな? って思いもあって、どっちつかずなんです」 中学受験は知識を広げ、理解する喜びを得る機会としては素晴らしいものだと思うが、一歩間違うと、子ども自身が「成績こそ全て」という価値観に、がんじがらめになる危険性を孕んでいるものだ。 ところが、最近、太郎君に動きがあったと咲子さんから連絡が入った。 「実はS塾を辞めました。太郎に円形脱毛症が見つかって、かかりつけ医に叱られたんです。その先生も中学受験では苦労したんだそう。そんな話をしてくださった後、太郎に向かって『塾はしがみつく存在ではなく、選ぶもの』って諭してくれました」 そのかかりつけ医の言いつけを、幼い頃から不思議と守ってきたという太郎君。その先生が医学部に強いS学園出身と聞くや、太郎君はS学園のことを調べ出し、そこを本命校にしようと思い立ったそうだ。 「先生が『S塾はこの際、リセットして、自分のペースで見てもらえる家庭教師についたらどうだ?』とプロの家庭教師まで紹介してくれたんですよ。幸い、とてもいい先生で、今はまず、太郎の失った自信を取り戻してくれようとしています」 太郎君の受験結果がどうなるのかは未知数ではあるが、必ずしも、低学年から有名塾に入っていれば有名校に合格するというものではないということを示す話でもある。やはり、塾の教育方針によっても合う合わないがあるということを親は知っておくべきだと思っている。 前のページ123 鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー) エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー、介護アドバイザー。我が子と二人三脚で中学受験に挑んだ実体験をもとにした『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などで知られ、長年、中学受験の取材し続けている。その他、子育て、夫婦関係、介護など、特に女性を悩ませる問題について執筆活動を展開。 記事一覧 湘南オバちゃんクラブ 最終更新:2021/05/23 16:00 楽天 カンペキ中学受験2022 受験競争の前に入塾競争! 関連記事 『ドラゴン桜』人気、リアル“東大合格者”の素顔! 中学受験を経た東大生の母が明かす「私のやったこと」とは?中学受験で要注意「こんな校長先生はダメだ」! 学校説明会のスピーチで「○○自慢」は、候補校から外すべき!?中学受験、“卒母”のアドバイスに要注意!? 「K女子なんて、一生後悔するわよ!」娘の熱望校を全否定され……中学受験塾に洗脳されていた私……「T学園に入りたいのは、僕じゃなくてママ」息子の涙に目が覚めて中学受験で「特進選抜コース」合格も、3カ月で落ちこぼれたワケ……「入学前にスマホデビューがいけなかった」 次の記事 長男が“良い子”にならざる得なかった理由 >