仁科友里「女のための有名人深読み週報」

久代萌美アナウンサーは、夫の“不倫”を認めざるを得ない!? 有村昆の“不倫未遂”から考える、芸能人と一般人の上下関係

2021/05/20 21:00
仁科友里(ライター)

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「いけなかったんかい」久代萌美アナウンサー
『ワイドナショー』(フジテレビ系、5月16日放送)

 有名人の「メイク動画」をご存じだろうか。

 有名人が使用しているスキンケア、メイクアイテムを紹介しながら、すっぴんの状態から顔を作っていくものだ。それぞれのメイク哲学やこだわりを知れるのが楽しくて、つい見てしまうが、この動画に時々「プチプラコスメを使っていて、好感が持てる」という視聴者のコメントがつくことがある。


 これはおそらく「有名人で高収入のはずなのに庶民感覚を忘れず、一般人と同じようにプチプラコスメを使うことに好感を抱く」ということだろう。かつて芸能人とは「憧れるもの、マネするもの」だったが、今は「自分と同じように見えること」が人気を博す要素になる時代なのではないか。高級ブランドに身を包んだモデルばかりが登場する女性誌は、そりゃ軒並み苦戦を強いられるだろう。

 こうした傾向を見るに、「芸能人は一般人より上の立場」という時代は終わったといえる。不倫報道ひとつとっても、“芸能人>一般人”という図式が壊れたと感じる。「週刊文春」(文藝春秋)がタレント・ベッキーの不倫を報じたのは2016年。世間が大いに盛り上がったからか、以降、「文春」をはじめとした週刊誌は不倫を多数報じるようになるが、16年より前の不倫、つまりベッキー前と、16年以降のベッキー後では、不倫報道に大きな違いがある。

 ベッキー後の不倫では、アンジャッシュ・渡部建の「多目的トイレ不倫」や、リオデジャネイロオリンピック競泳銅メダリスト・瀬戸大也に見られるように、有名人男性と一般人女性との不倫という組み合わせが目立つようになり、世間のバッシングも強くなった。

 なぜベッキー前に、有名人男性と一般人女性の不倫が話題にならなかったのか。それは「有名人男性は女遊びをするのが当たり前」という昭和的感覚があったからだと思う。

ベッキーの心のとびら/ベッキー