仁科友里「女のための有名人深読み週報」

小室圭氏は国民の望むものがわかっていない。「切実に名誉の問題」と語る“小室ブリーフ2021”に思うこと

2021/04/15 21:00
仁科友里(ライター)

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

眞子さまは小室圭さんの文書をどう読まれたのか(Getty Imegesより)

<今回の有名人>
「切実に名誉の問題でもありましたし」小室圭氏

(4月8日)

 ようやくというべきか、小室氏が母親と元婚約者との間にあった400万円の金銭トラブルについて、釈明する文書を4月8日に公表した。

 小室家の金銭トラブルを簡単に振り返ってみよう。「週刊女性」2017年12月26日号(主婦と生活社)が「秋篠宮家はご存じか! 眞子さまの婚約者・小室圭さん母の『400万』借金トラブル」と報じた。かいつまんで言うと、小室氏の母親と交際していた元婚約者の男性が、小室さんの学費や母子の生活費400万円を負担していたが、度重なる無心に疲れ果て、婚約を破棄。400万の返済を求めたが、小室さん側は「お金は贈与されたもので、返す必要がない」とスルーしたという。

 同誌で「弁護士法人・響」の天辰悠弁護士が「借用書がないのでお金を取り戻すことは難しい」と、法律的には小室母子が正しい(返済の義務はない)とコメントしていた。そもそも、借金は小室氏がしたものではないから、彼の結婚には無関係といえるだろうが、法律的には問題なくても「人からカネを借りておいて平気で踏み倒す母親と、それをとがめない息子」という印象を受けた人や、そういう人たちが皇室の縁戚となることに拒否感を覚える人もいただろう。報道があった2カ月後、宮内庁はご婚約延期を発表した。


 ネックになっているのは、金銭トラブルなわけだから、それを解決すれば流れは変わるはず……なのだが、小室氏側は19年1月に、「金銭問題は解決済みと理解」とする文書を公表した以外、沈黙したまま。国民の不信感が高まる一方の中、ついに先日、28枚4万字にも及ぶ“小室ブリーフ2021”を公表するに至った。私は一通りこれを読んだが、どうも小室氏は、国民が何を望んでいるのかわかっていないようだ。

 “小室ブリーフ”を簡単にまとめるとするのなら、「借金ではない、だから返さない」「お金を渡せば、借金だと認めたことになる」の繰り返しである。「一般的には金銭トラブルと呼ばれていますが、切実に名誉の問題でもありましたし」と「あえて払わなかったのだ」と、プライドの高さをにじませるような主張をする。

 28枚もかけて、それが言いたかったんかいと、こちらはズッコケるが、4月12日には小室氏の代理人弁護士が「元婚約者に解決金を支払う意向がある」と発表し、さらに国民を驚かせる。「借金じゃないから、払うわけにはいかない」と持論を述べつつ、けれど解決金を支払うことで丸く収めようと思ったのかもしれないが、より混乱したという国民のほうが多かったのではないだろうか。ウェブサイト「AERA dot.」が、9日夜から12日までに実施したアンケート(回答数2万8641件)によると、“小室ブリーフ”や解決金の支払いについて、賛同より批判的な声のほうが多かったという。

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