石田純一は、なぜ芸能界から消えないのか? 新型コロナ感染騒動に見る「自分が悪いと絶対に思わない才能」
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の有名人>
「ちょっと、おせっかいで」石田純一
YouTubeチャンネル「じゅんちゃんねる」4月29日
石田純一ってすごいと思う。
一般的に芸能界は弱肉強食、成果を出した人でないと生き残れないといわれるが、石田純一は本業が何なのか、誰が支持しているのか不明ながらも、消えずに芸能界で生き残っている。
80年代にトレンディドラマに欠かせない俳優としてブレークした石田。女優・松原千明と再婚し、モデルのすみれをもうける。このまま大物俳優の仲間入りを果たすかと思いきや、90年代には19歳年下のモデル・長谷川理恵との不倫で世間を騒がせることに。家庭を捨て長谷川のもとへ走った石田は、当然のことながらバッシングを浴びた。
フツウならここで芸能界から消えてしまいそうだが、石田は消えなかった。どんな失礼な内容であっても、ワイドショーのレポーターの質問に答え、バラエティー番組にも進出する。現在の妻、プロゴルファー・東尾理子へのプロポーズも『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)のいち企画として放送するなど、石田は「プライベートを売る」形でテレビに出続ける。
何を聞いても答えてくれる石田は、ワイドショーにとってありがたい存在だろう。その集客力を見込んで、イベントが石田にオファーをかけ、そこにやって来たワイドショーのリポーターが「交際は順調ですか? 結婚は?」などと聞く……いわばワイドショー御用達タレントとして、石田は芸能界を生き抜いてきた。何かの賞を獲ったり、視聴率を持っているとされる人が芸能界で生き残るのは、ある意味当たり前だ。無冠でありながら生き残るとは、彼が「持っている」証明ではないだろうか。
しかし、現在の石田はちょっとした苦境にあるといっていいだろう。石田は昨年の4月に新型コロナウイルスに感染した。ウイルスは人を選ばないので、誰が罹患してもおかしくはないが、発症前の石田の行動が明らかになるにつれ、世間から反感を買うようになっていく。
4月上旬、石田は北関東のゴルフ場でプレーをし、そこで女性を交じえての食事会に参加する(この時、一緒にプレーをした男性が新型コロナに感染、発症している)。石田はこの後、自らが経営する飲食店の視察のために沖縄に行き、ここでもゴルフをプレー。東京に戻り、体調に異変を感じた石田は緊急入院することになった。もし石田が北関東のゴルフ場で感染していたとしたら、妻子はもちろん、沖縄に行くまでに飛行機で乗り合わせた乗員乗客、石田が経営する飲食店の従業員、そして宿泊先である沖縄のホテルやゴルフ場で働く人を感染のリスクに晒したことになる。また、一般人は新型コロナ感染を疑っても、すぐに医療機関にかかれない状況だったのに、石田がスムーズに入院できたように見えたことから「芸能人パワーだ」と批判が噴出した。