「ママ友いらない」コミュ障ママが、幼稚園の委員に! 強制LINE交換に衝撃も……トラブルを乗り越えられたワケ
卒園対策委員は、主に卒園アルバムの作成や、卒園式の準備、卒園生や先生の贈り物などを手配する役割を担う。委員同士の連携が必要な役だといえる。
「いつも保護者会が終わった後、園庭で遊びたがる息子を連れて、すぐに帰っていました。周りのママからも浮いていたと思います。なので、ほかのママからの『お前が卒対やるのか』っていう雰囲気も感じました……」
しかし、不安げな沙也加さんに声をかけてくれた女性がいたという。
「彼女はMさんといって、以前は保育士だったようです。うちの幼稚園は2クラスあり、持ち上がり制だったので、一度も同じクラスになったことがない女の子のママでした。下の子が生まれたばかりなのに、自分から副会長に立候補したらしくて、抱っこ紐で赤ちゃんを連れて、保護者会にやって来ていました。彼女は『なにか困ったことがあったら連絡して』と言ってくれたんです」
年中での1年間は、ほかのママとの付き合いがなかったという沙也加さん。しかし、委員決め後は、会長や副会長とも強制的にLINEを交換させられたという。
「本当はIDを交換したくなかったんです。でも会長が、『はい、QRコードを表示させて机の上に置いて』と指示をしてきて、ほかの委員のママも、次々に私を追加していきました。手際の良さにびっくりしましたね」
確かに現在では、LINEのグループチャットがないと、幼稚園や小学校の委員活動もしづらいといえる。こうして、グループチャットでほかのママとの交流が始まったそうだ。
「同じクラスのママとのグループ、PTAのグループ、卒対のグループといくつものグループチャットに参加することになりました。私は自分からメッセージを送ることが少ないので、頻繁なやりとりに驚きましたね。毎日、夕食などが落ち着いた時間になると、グループチャットでメッセージが飛び交うので、いつしか通知を切るようになったんです」
人付き合いが苦手な沙也加さんは、委員の集まりがあると気が重くなったという。
「保護者会では、一人ずつ自己紹介をする時間があるのですが、私は息子の名前と、よろしくお願いしますくらいしか言わなかったんです。でも委員会だと、毎回みんなと話さなければならないので、それがとても苦痛でした。雑談でドラマや俳優の話が出てきても、私はテレビをあまり見ないし、興味が持てないんです。会社員時代は、仕事さえできればそれでOK、同僚付き合いをしなくても良い雰囲気だったのに、やっぱりママ友付き合いは疲れてしまいます」