「体操着の下に肌着禁止」問題を、ママ友と解決した話。LINEで情報共有、担任の先生に直訴するまで
そんな薫さんだが、昨年の秋に開かれた個人面談で、ようやく担任の先生に「なぜ体操服の下に、肌着を着てはいけないのか」と聞いてみたという。
「まず、本当にそういうルールがあるのか、事実確認をしました。そしたら、『あります』と……。肝心の理由については、『汗で肌着が濡れて、風邪をひくから』という一言で片づけられてしまいました。正直、直接体操着を着るよりも、アンダーシャツやキャミソールを着たほうが、汗を吸い取ってくれるのではないかと思ったのですが、強くは言えませんでしたね……」
コロナ禍の影響で、ママ同士が顔を合わせる機会が減っていた中、このモヤモヤを誰にも伝えられずにいたそうだ。
「直接、学校生活に関わることではなかったので、わざわざグループチャットで聞くのはためらってしまったんですよね。でもちょうど学期末に、保護者会が開かれました。そこでママ友に会えたので、体操着の下に肌着を着ていないこと、全員同じ教室内で着替えていること、真冬でも体育は半袖半ズボンなことを話したんです。肌着を着ていないことに関しては、ママたちも把握していない人が多かったみたいでした」
その矢先に、テレビのワイドショーで、同じく体操着の肌着問題が取り上げられることに。これをきっかけに、ママたちが子どもに体育の時の様子を確かめるようになったという。
「私の抱いていたモヤモヤに、ほかのママも共感してくれたと感じ、『あぁ私はモンペではなかった』とホッとしました。また、ママ友から“新情報”のメッセージが届くことも。実は以前、配布物に、『冬は体育の時間にジャージの着用を認めている』と書いてあったそうなんです。しかし実際には着ている子がいなかったため、なんとなく子どもたちの間で『半袖半ズボン』のルールができあがってしまったようですね。確かに、そういう雰囲気の中では、小さい子どもが自分から『ジャージを着たい』とは言えないかもしれません」
その後、薫さんは仲の良いママたちとグループチャットで相談し、連絡帳を通して、個人面談の時間を作ってほしいと直訴した。そこで体操着の肌着問題や、ジャージの着用などについて相談したという。
「自分一人だったら、ずっと何もできずにいたと思います。ママたちと疑問を共有できたことで、モンペのようなクレーマーにならず、『相談』という形で、学校に疑問点を伝えらえたんじゃないかなって。学校側も、今後は個別対応を検討し、個人的に着用を認める方向で調整しているそうです。また着替えについても、小3になると教室内にカーテンの仕切りがあって、男女分かれて着替えをすると言われました」
薫さんは、ママたちと悩みを共有することで、冷静になれたという。働くママが増えている昨今。なかなかママ友同士が集まって語らう時間を捻出するのは難しいが、グループチャットを駆使してコミュニケーションを取ることで、学校生活の悩みもうまく解消しているようだ。