カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」2021年3月9日号

貴乃花と離婚した河野景子、『花束みたいな恋をした』のように新恋人を語る「婦人公論」インタビューに思うこと

2021/03/06 16:00
島本有紀子(ライター)
「婦人公論」2021年3月9日号(中央公論新社)

 「婦人公論」(中央公論新社)の3月9日号、特集は「エコだけどケチじゃない『始末のいい』暮らし」です。「始末のいい暮らし」とは聞き慣れない言葉ですが、一体どういう暮らしのことなのか!? さっそく中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎エコだけどケチじゃない「始末のいい」暮らし
◎夫が狩った獲物、まるごと一頭いただきます
◎河野景子 感性の合うパートナーと私らしく歩いていきたい

結局「ていねいな暮らし」系なのか

 特集の「エコだけどケチじゃない『始末のいい』暮らし」。気になったのは「始末のいい暮らし」とは一体何なのか、という点についてです。いわゆる「ていねいな暮らし」とは違うのでしょうか。

 最初のページを見ていくと、「必要なものだけ買う、特性を活かす、最後まで使い切る、第二の用途を探す……」と説明が。続けて「外出もままならないいまだから、日々の生活を少し見直してみませんか」とあり、“コロナ禍だからこそ生活の見直しを!”という趣旨のようです。

 続けて取り上げられている人物は、 “シンプルな生活”を勧める料理家・有元葉子氏を始め、断捨離して古民家に移り住んだ女優で陶芸作家の丘みつ子氏、「皮も、葉も、根も賢く食べ切る」レシピを紹介する料理研究家・久保香菜子氏、「繕いの魅力を発信」している“暮らしの装飾家”・ミスミノリコ氏など。結局これって、「ていねいな暮らし」では……?

 ではなぜ「ていねいな暮らし」という言葉を使わないのか? このごろは「ていねいな暮らし」が「意識高い系」と同様、嘲笑を含む、人を揶揄するときに使われることの多い言葉として定着してきたためでしょうか。

 「ていねいな暮らし」系の元祖といえる雑誌「暮しの手帖」(暮しの手帖社)も昨年1月、「丁寧な暮らしではなくても」というコピーを表紙に掲げ、話題となりました。

 言葉の上では女性誌も“脱・ていねいな暮らし”をしつつあると感じましたが、中身には大きな変化が見られないのも事実。コロナ禍のような非常時でも「始末のいい暮らし」を心がける余裕のある人はそもそも、通常時から心がけられているのでは。非常時だからこそ、もっとダラけさせてくれと思う人も多いはず。もっとテキトーでずぼらな人間にも暮らしやすい世界になってほしいものです。

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