コラム
『おちょやん』解説

朝ドラ『おちょやん』倉悠貴演じるヨシヲは腐りきったヤクザ? 「弟」の名を隠し続けた浪花千栄子の意思

2021/03/13 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

 享保5年(1720)年からは、刑罰としてのイレズミが大々的に登場し、それを「黥刑(げいけい)」などと呼びました。カラフルなものではなく、黒一色のイレズミなのが特徴です。

 地方によってはそれ以前から、「こいつは前科者です」と知らせるようなイレズミを入れられる「入墨刑(にゅうぼくけい)」が行われており、日本全国でさまざまなバリエーションがありました。しかも、腕に二本線を入れられるどころか、地方によっては額に「犬」の文字とか「×」などの記号の形の墨を入れられてしまう場合も多々ありました。

 江戸時代には、実は犯罪者以外にイレズミを入れることを禁止する法令が何回も出されていました。明治維新後の明治5(1872)年、イレズミを入れること、また刺青師の客になることの両方を明治政府は禁止しています。

 ところが、この頃から「日本のイレズミきれいですネー」と海外からのイレズミ希望客が日本に殺到し、その中にはなんとイギリスやロシアのロイヤルファミリーの男性まで含まれていたのは有名な話……。そう、日本人には禁止しても、外国人は対象外だったわけですよ。

 ということで、ヤクザものが好んでイレズミを入れるようになったのは、そういう「イレズミ禁止法」が有名無実化していく明治の末とか、それ以降だと考えるのが一般的なのです。

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