コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき100

「ヤクザの裁判」は死刑もアリ! 重罰化がますます進む時代を元極妻が考える

2021/02/28 16:00
待田芳子(作家)

 この事件については、先に書いた通り実行犯の「偽装破門説」があるほか、高価な自動小銃の入手法をめぐって疑問も報道されています。偽装じゃないとしても、破門された組員が「個人的に」数百万円の自動小銃を買えるのか、ということですね。

 銃の入手法や組織的関与については、一審公判廷でも検察側が追及していましたが、裁判官は認定しませんでした。被告人が「言えない」と言っている以上、確認は難しいからです。当たり前ですが、裁判所は、起訴された内容を審理します。この場合は「人殺し」の裁判で、そこは弁護側とも争いがないので、銃の入手法の解明とか細かいところはやりたくないのでしょう。

「ヤクザなら推認でも死刑」

 21世紀に入ってしばらくは、尼崎の事件のような裁判が大半でした。いいか悪いかは別にして、実行犯が罪を認めれば、裁判長も「ほんとは兄貴分がやったんじゃないの?」「親分の命令じゃないの?」とかは聞かずに審理していたんです。刑期も短かったですしね。ところが、最近は「親分の指示」を強引に結びつけることが増えている気がします。もちろん明確な殺人教唆は別ですが、直接的な証拠がなくても、組織的な犯行と結論づけたいようです。

 たとえば、今年1月の工藤會のトップの裁判ですね。構成員による殺人事件の関与を裏づける直接証拠はなかったのに、「推認」だけで総裁に対して死刑が求刑されたのです。もともと警察と検察は、最初から死刑を求刑する気満々でしたから、たくさんの間接証拠を出して「ヤクザだからやってるに決まってる」と「推認」したんですね。

 さすがに死刑は初めてでしたが、この裁判をきっかけに「推認でも死刑」と「より重罰化」が普通になっていくかもしれません。日本の刑事裁判は、「日本国憲法の下、被告人の人権保障を全うしつつ、適正かつ迅速な裁判を実現するための様々な規定が設けられて」いるそうですが、「ホンマかいな?」と思う裁判のほうが多いなとは思っておりました。これからも増えるかもしれませんね。 

待田芳子(作家)

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻。夫とは死別。本名・出身地もろもろ非公開。自他共に認める癒やし系。著書に『極姐2.0 旦那の真珠は痛いだけ』(徳間書店)がある。

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最終更新:2021/02/28 16:00
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