「ヤクザの裁判」は死刑もアリ! 重罰化がますます進む時代を元極妻が考える
今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
連載が100回に
おかげさまをもちまして、この連載が100回を迎えました。読者の皆様と、私のような立場の者に書かせてくださる編集部の皆様に、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。
ヤクザはもう絶滅危惧……といわれながら、何かとお騒がせ案件も続いているので、元極妻として思うことはたくさんあります。今しばらくお付き合いいただけますと幸甚です。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
殺人事件でスピード判決
さて、記念すべき第100回は、私のテーマでもある、ヤクザの裁判です。以前ちらっと書かせていただいた兵庫・尼崎での神戸山口組幹部の射殺事件の実行犯の初公判は、2月8日に即日結審、19日が判決と、スピード裁判でしたね。
実行犯が起訴内容を認めているということで早かったようですが、まあちょっと早すぎる気もしましたね。しかも公判では「俠(おとこ)として死にたかった」と言ってたのに、即日控訴しましたから、カタギさん的には「アレレ?」かもしれません。
でも、これは全然アリだと思います。未決勾留のほうがラクだから。未決囚なら、差し入れ屋からお菓子や缶詰などを差し入れてもらったり、自分で買ったりして食べられるし、私服だし、原則として手紙と面会も毎日1回ずつOKです。
刑が確定してしまうと、自由がまったくなくなります。刑務所から支給される物しか食べられなくなり、手紙や面会の回数も制限されます。男性は丸刈り&舎房着(囚人服)ですしね。特に、獄中(なか)では食べることはすごく重要です。シャバでは甘い物を食べない人でも、「自由に食べられない」ってなると、食べたくなるようです。
今回の事件は、一審が短かったので、二審、最高裁も長くはかからないのでしょうが、未決囚として過ごす時間が少しでも長いといいですね。