有名弁当店「キッチンDIVE」万引き事件をベテランGメンが考察! 同じ服装で犯行を繰り返すのは「よくあること」
こんにちは、保安員の澄江です。
先日、東京・江東区にある、ボリュームと安さが売りの有名弁当店「キッチンDIVE」で、弁当を盗んだ男が逮捕されました。先月にも、同様の犯行に及んでおり、その様子を捉えた映像がライブ配信されて話題となった事件です。
1回目の犯行映像を見ると、スポーツキャップをかぶり、青いウインドブレーカーを着た小太りの男が、レジ前に佇んで商品を選ぶフリをしながら周囲を見回しているのがわかります。そして、惣菜を手に取った男は、両手で抱えるようにして持つと、左手を弁当に伸ばして取りました。自分の体を使って、店員から商品を見えないように隠して、お客さんの流れに逆らいながら出口に向かう様は、万引き犯の典型的な動きの1つといえるでしょう。
1回目の犯行後、ネット上などで大きな話題になったにもかかわらず、同じ格好で同様の犯行に及んで現行犯逮捕されたことも話題になりました。このような犯行態様は、私たちからすれば、よくあることなのですが、一般の方は不思議に思われたようです。
スーパーなどで弁当を盗む人の被疑者像を想像すれば、失業者、もしくはホームレスに近い状態にある人が目立ちます。スマートフォンなどを持てない人も多く、いわゆ“情報弱者”の状況にあるため、店内映像をライブ配信していることなど思いもよらなかったのではないでしょうか。食うに困って、刑務所に入るために、あえて捕まりやすい店を選んだのかもしれませんが、おそらくは過去の成功体験が再犯に向かわせたと思われ、そう考えれば万引き犯が好まぬ店員の目が届きやすい狭い店で大胆な犯行を繰り返したことも理解できます。
いずれにせよ、弁当を盗む人は食うに困っている状況にあることがほとんどで、こう言ってはなんですが、あまり責める気になれません。ただ切なく、1日も早く明日の食事を心配しないで済む生活基盤を築いてほしいと、その場限りのお祈りを捧げるばかりです。今回は、この男同様、服装が仇となって捕捉に至った女常習犯について、お話ししたいと思います。