コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

皇后の縁戚が「不敬罪」で逮捕!? 天皇家を揺るがした“新興宗教”スキャンダル【日本のアウト皇室史】

2021/02/06 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

――島津さんが理性を取り戻したのに精神病院行きとは皮肉です……。あえて伺いますが、島津さんの予言が当たったことは?

堀江 それがね……ちょっと怖いなって思えるものはあるのですよ。

 「神政は昭和14(1939)年にはじまり、昭和20(1945)年に成就する」という島津の「神告」がそれなんですけど、どう思いますか? 具体的に“神政”が何かはわかりませんが、この期間は第二次世界大戦の時期に相当します。日本の参戦は、昭和16年(1941年)の「真珠湾攻撃」以降なのですが……。

――敗戦によって、日本全体が、そして皇室のあり方も大きく変わりましたよね。

堀江 そうなんです。島津ハルはその後、表立った活動が出来なくなり、昭和45(1970)年に92歳で亡くなりました。

 彼女が創立メンバーの一人だった鶴嶺女学校の伝統は、現在、鹿児島玉龍中学校/高等学校に受け継がれているようです。しかし、ネットで見る限り、島津ハルの名前は完全に校史からは消されてしまっていますね……。

 昭和時代の宮中には島津ハルのような神がかりの女官が、まだほかにもいました。次回以降、「魔女」と呼ばれた女官のエピソードをお話しいたします。

堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

1977年、大阪府生まれ。作家・歴史エッセイスト。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。日本・世界を問わず歴史のおもしろさを拾い上げる作風で幅広いファン層をもつ。著書に『偉人の年収』(イースト・プレス)、『眠れなくなるほど怖い世界史』(三笠書房)など。最新刊は『日本史 不適切にもほどがある話』(三笠書房)。

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最終更新:2021/02/06 17:00
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