「酒を飲んだり、不倫するのが“男らしい”と思ってた」53歳の元公務員、準強制性交容疑で語られた「2人の愛人」と「ED治療」
16年と19年に勃起障害(ED)の治療を受けていたという被告・Y男。すでに子どももいるようですし、年齢的にも“そういう煩悩”から解放されていいような気はするのですが、まあ、個人の問題だし……と思っていたら、なんと、ED治療は当時付き合っていた“愛人”のためだったことが判明! さらに、今回の身元引き受け人も、保釈金の300万円を借りてくれたのも、その愛人なんだとか。
さらに話が進むと、19年に再びED治療を受けたのは愛人・その2のためだったそうで、とんでもないウラの顔が明らかになったんです。Y男の妻はもちろん、300万円を渡した愛人・その1の心情を考えると、ため息しか出ません。ちなみに、今回の事件で妻とは離婚したとか。当然の結果でしょう。
Y男は最後まで挿入について否認していましたが、これは「挿れなければセーフ」などという、“身勝手なルール”が頭にあったからかもしれません。開廷してすぐ「なんだよ、その男根原理主義!」と心の中で被告にツッコんでいましたが、「酒を飲んだり、不倫をするのが男らしいという、バカな生き方をしてしまいました」という力ない反省の言葉を聞いて、最後はちょっとつらい気持ちにもなりました。「男らしさ」の呪いにかかったままアップデートできず、年を重ねてしまった哀れな中年男性が、被告席にいたように見えたからです。
現在はカウンセリングを受けているというY男。間違った「男らしさ」をどんどん積み重ねてできた人格は、どこまで最適化できるのでしょうか? でも、こういう時代錯誤な性差別って、自分も知らず知らず振りかざしてるよなぁ……と、反省しながら東京地裁を後にしました。
ちなみに、コロナ禍の裁判所である変化を発見。検察官と弁護士は大量の資料を法廷に持ち込むのですが、この時代なのに、“風呂敷”で包んでいる人をよく見かけたんです。しかしそれが、いつの間にか「東京地検」と名前が入っている、オリジナルの“コンテナ”に変更! どっちが便利なのかよくわかりませんが、ほとんど変化のない地検でも「働き方改革」が起こっているようですね。