史上初「指定暴力団トップへの死刑求刑」の波紋! 元極妻が語る激動のヤクザ社会
今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
工藤會の野村悟総裁に死刑求刑
想定内ではありましたが、指定組織のトップに史上初の死刑が求刑されました。1月14日に福岡地裁(足立勉裁判長)で行われた論告求刑で、五代目工藤會の野村悟総裁に対して、検察側が死刑を求刑したのです。
この件については、以前から私も注目していましたが、やはり関係者はショックを隠せないようです。だって、亡くなられたのは1人で、「トップの指示」が争点。いいことではないですが、死刑は重すぎます。
日刊紙の記者さんによると、論告は「〜と推認される」という文が続き、論理的には微妙だったとか。「いくら反社会的勢力の事件でも、論理的に問題があって、死刑廃止論者からは批判が出るかも」だそうです。
やはり作家の宮崎学さんが普段おっしゃるように「ヤクザ罪」として刑が5割増しになっているということを実感しますね。
「元警察官襲撃」が虎の尾に?
この裁判は、元漁協組合長射殺(1998年)、元福岡県警の警部銃撃(12年)、看護師刺傷(13年)、歯科医師刺傷(14年)の4つの事件について、野村総裁とナンバー2の田上文雄会長(稼業名)による指示があったかどうかが争われ、お2人とも一貫して無罪を主張されてきました。
さきの記者さんは、「やはり元警察官襲撃が警察庁の虎の尾を踏んでしまったのではないか」とおっしゃっていました。まあ漁業組合長はいったん裁判が終わっていましたし、ナースも亡くなってはいませんし、そういう見方は前からありましたね。
検察(と警察)は、「一般人への執拗な襲撃」と「反社会的勢力の組織的な暴力」を根拠に死刑を前提に捜査と裁判を進めて、今回の求刑になったわけです。そもそも、これまでにヤクザの大親分に対しては死刑が求刑されたことはなく、とにかく「初物好き」な印象しかないです。
1月14日は、たった6席の一般傍聴席を求めて127人が抽選会場に来たそうです。「ヤクザとマル暴刑事は区別がつきにくいのですが、あいさつがハキハキしていたグループは會の関係者でしょう」と記者さん(笑)。けっこう関係者も来ていたようです。
それにしても6席って。ソーシャル・ディスタンスで座れる席を減らしているのでしょうが、少なすぎですよね。
おもしろかったのは、「右翼の街宣アクシデント」です。抽選に並んでいた方によると、「正門近くで威勢のいい街宣車が威勢のいいことを言ってるなーと思ったら、急にマイク越しに『……スミマセン……ハイ……』と言って静かになったので、振り返ったら、工藤會関係者“ふう”の方が街宣車に向かって唇に人差し指を当てていた」そうです。工藤會がカタギに迷惑をかけないというパフォーマンスと言われたらそうかもしれませんけど、ちょっとおもしろかったです。