「元極妻」芳子姐さんのつぶやき93

山口組の「報復」より気になる、ヤクザの「逃走・出頭映像」――元極妻が考える尼崎銃撃事件

2020/11/22 16:00
待田芳子(作家)

山口組の「報復」より気になる、ヤクザの逃走・出頭映像――元極妻が考える尼崎銃撃事件の画像1今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

尼崎でまた発砲事件発生

 尼崎で、また発砲事件が起こりました。今回、死傷者はナシのようで、よかったです。

 11月18日、日付が変わってすぐの頃に六代目山口組の「関係者宅」に3発の銃弾が撃ち込まれたのですが、関西テレビなどは監視カメラの映像を入手して公開しています。

 ここは、六代目山口組の二次団体・司興業傘下の琉真会の会長宅だそうですから、テレビ局が監視カメラ映像をもらえるのは警察ルートしかありません。ふだん警察と仲よくしておけばもらえるということです。まあ、そのおかげで私なども映像を見られるわけですが。バイクが2人乗りで走ってきて、壁材らしいものが飛び散ったのが確認できます。

 報道などによると、「パンパンパンと音が聞こえた」と110番通報したのはご近所さんだそうで、会長さん宅の外壁と玄関に3カ所の銃弾痕らしきものがあったそうです。


 この琉真会とは、六代目山口組の司忍組長が設立した司興業の傘下組織ですから、これは11月3日の神戸山口組関係者銃撃の報復であり、六代目への挑戦とみていいでしょう。 

「オレは二代目を譲った覚えはない」という対立も背景に?

 今回の銃撃には、「因縁説」もあります。

 11月3日に銃撃された三代目古川組組長は、六代目山口組傘下の琉真会から神戸山口組に移籍しているのです。2015年の山口組の分裂を境に、敵対関係になってしまったんですね。

 ビジネスジャーナルは、「形としては、三代目古川組の組長と舎弟頭が発砲されたことに対する返し。つまりは、神戸山口組側による犯行との見方が強いだろう。ただ、もっと根深いものがあるのではないか。三代目古川組組長は、まだ二代目古川組体制の頃に、三代目琉真会の会長として組名乗り(※編集部註・ヤクザとしての自分を宣言)をしていた時期がある。だが、その先々代にあたる初代琉真会会長は、18年に、“実際には代を譲ってはいない”と主張しだし、初代琉真会として司興業に加入、六代目山口組陣営に入ったのだ。今回狙われたのは、この初代琉真会会長の自宅。つまり、三代目古川組組長と初代琉真会会長は、ただならぬ因縁があったということ。今回の事件は、神戸山口組による組織的な報復というより、元身内同士の骨肉の争いともいえる側面もあったのではないか」と指摘しています。

 ちょっと難しいかもしれませんが、「ひとつの組織として名乗りを上げるのは、それだけ重みがあるんだな」と思ってください。こうした因縁もあるのでしょうが、これからさらにカエシ(報復)があるのかどうか。微妙なところです。