「メルカリちゃん」と呼ばれる“万引き商人”の実態! 化粧品やストッキング……計92点を盗んだオンナ
「ストッキング、こんなにたくさんいらないでしょう? どうするつもりだったんですか?」
「仕事が見つからなくて、お金がないから、ネットで売ろうと思って……」
「化粧品も、そのつもりで?」
「はい、すみません。この辺は人気あって、メルカリとかに出すと、すぐに売れるんです」
被害を特定するため、警察への通報を終えた副店長に被害品のレシートを出してもらうと、被害合計は9万円を超えました。所持金を尋ねれば2,000円ほどしか持っておらず、貯金もなく、クレジットカードなども止められているというので、被害品を買い取ることはできそうにありません。誰か立て替えてくれる人がいるか尋ねても、身寄りはなく、助けてくれる友人もいないと話していました。被害状況から察するに、前科前歴を問わず逮捕されそうな状況ですが、被害品の買い取りもガラウケの用意もできないとなると、その可能性は一気に高まります。
「あんた、2週間前にも同じことでウチの署に来てるじゃないか。今日は逮捕するから。しばらくの間、家には帰れないよ」
「はい、すみません。家賃も払えないし、ご飯も食べられないから、それでいいです」
その後、臨場した警察官に逮捕された白鳥さんは、ひと通りのボディチェックを終えると警察署に連行されました。時計を見れば、すでに業務終了時刻である午後10時を過ぎています。これから実況見分を行って警察署で調書を巻くとなれば、明け方までかかることに違いなく、逮捕者である私も、今夜は家に帰れそうにありません。
(始発まで、どこで過ごそうかしら。ファミレスかネットカフェがあればいいけど)
そんな思いの中、実況見分のために多目的トイレの扉を開くと、2つのカゴを載せたカートが寂しげに佇んでいました。全ての処理を終えたのは、午前4時。ありがたいことに刑事さんが自宅まで送ってくださり、無事に帰宅した次第です。
(文=澄江、監修=伊東ゆう)