コラム
“中学受験”に見る親と子の姿
中学受験本番の2月1日、2校連続で“不合格”! 「楽勝」とヘラヘラしていた息子の涙……母は“合否”を超えて!!
2020/12/13 16:00
しかし壮樹君は、その後も連敗が続き、抑え校のみの合格を得て、2月4日、いよいよ大本命C中学最後の入試が開催される日を迎えたそうだ。
「その日は、塾長が校門前に応援に来てくれていて、壮樹と話をしていました。後で、塾長に壮樹が何を言ったのかを聞いたら、『先生、僕は今までどっかで受験から逃げてたんだと思うけど、今は違います。今日は絶対に逃げませんから、見ててください』と言ったんだそうです」
塾長は恵理子さんに、「お母さん、壮樹は受かります。彼はこの数日で本当に成長した。いいものを見させてもらいました」と激励してくれたという。
「私は、もうその瞬間で、合否なんかどうでもよくなってしまって。受かっても、受からなくても、この受験は壮樹を大きくしてくれた。それで充分だと思いました。りんこさん、私あの時、校舎に吸い込まれていく壮樹の背中が、本当に大きく見えたんですよ!」
実のところ、男子の中には、受験本番が始まり、しかも不合格となって初めて「これって、模試じゃなくて本番なんだ?」と実感する子が多い。たいていの場合、この“実感”が本気に火を点けるのだ。
中学受験するしないにかかわらず、子どもたちの成長はめまぐるしいものだが、こと受験においては、その渦中の短期間であっても、子どもがものすごい勢いで大人への階段を駆け上がる姿を目にすることが多い。
壮樹君は初回入試よりも、かなり難易度が上がっているC中学の第2回入試で見事に合格。今現在、C中学の剣道部で汗を流している日々だという。
最終更新:2020/12/13 16:00