サイゾーウーマンカルチャーインタビュー『まほチェリ』ブーム、BLドラマの現況 カルチャー [再掲]インタビュー ドラマ『チェリまほ』人気爆発も……「BL作品に魅力を感じる人少ない」大手映画会社の現状 2020/11/08 16:00 サイゾーウーマン編集部 インタビュー BL映像化は「倫理的にしんどい」!? ――公開規模の大小以外にも、ネックになることがあるのでしょうか。 三木 『おっさんずラブ』見てましたか? 僕は面白く見てましたけど、吉田鋼太郎さん演じる“部長”のキャラクターがバラエティ要素を含んでいたことで、あそこまで多くの人に受け入れられ、人気が出たと思うんです。「こうすればテレビでもBLできるのか」と得心しましたね。しかし、男性同士の恋愛をバラエティ要素ナシで、“王道”の恋愛ドラマにしようとすると、どこもやりたがらないという……。 実は『タクミくんシリーズ』のドラマ化を、以前某局に提案したんです。『タクミくんシリーズ』をご存知の方はわかると思いますが、『おっさんずラブ』とはちょっと方向が違って、“ド王道”の学園恋愛物語なんですよ。原作は根強い人気があるし、キャラクターも魅力的だし、すでにしっかりファンもついているし、絶対にドラマ化するべきだと思っています。 余談ですが、『タクミくんシリーズ』を映画化した時、ファンの方たちが本当に熱くて驚きました。公開当時、「タクミくんファン 九州支部」と名乗る30人くらいのファンが、手紙入りの分厚いアルバムを私宛に送ってくれて。中には「1万本見た映画の中で、一番よかった」なんて書いてあるんです。「そんなわけあるか!」と思うけど(笑)、とてもうれしかったですね。これだけ熱い作品なのに、テレビ局的には「倫理的にしんどい」らしく、ドラマ化を断られたんです。 ――同性愛に対して倫理を問うとは……言葉を失います。 三木 「男性同士の恋愛モノは、いくら内容が深くても、倫理的にちょっと……」ってね。要するに、テレビ局には「恋愛は男女でするべきだ!」みたいな、古い固定観念が残っているんですよね。 ――でも、今年1月クールには“デリヘル”を題材にしたドラマ『フルーツ宅急便』(テレビ東京)が放送されていました。これも「倫理的にしんどい」とツッコまれそうな題材ですが……。 三木 『フルーツ宅急便』はデルヘルを題材にしていても、監督が映画『凶悪』(13年)の白石和彌さんと、映画『横道世之介』(13年)の沖田修一さんなんですよね。彼らが監督で、濱田岳さんが主演という要素は、やはり強い。だから『タクミくんシリーズ』も、旬の監督や俳優をキャスティングできれば、状況は変わってくるはずなんです。脚本家も同様に、例えば「宮藤官九郎さんを連れてきました!」となれば、局上層部は彼が濃厚なBL作品を書いたとしても、「クドカンは知ってる! OK!」となっちゃうでしょうね。 (番田アミ) ■後編へ続く 前のページ123 サイゾーウーマン編集部 芸能・ジャニーズ・美容・暮らし・カルチャーなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト X:@CyzowomanC Instagram:@cyzowoman オンナを刺激するニュースブログ[サイゾーウーマン] 最終更新:2020/11/09 11:28 楽天 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(1) テレ東がどんどんBLドラマを開拓していきそう 関連記事 田中圭・斎藤工を見いだしたBL映画プロデューサーに聞く、次にブレークする俳優BL映画プロデューサーに聞く! 男同士の恋愛の魅力と、BL映画界の将来「耽美」から「ボーイズラブ」へ! 「JUNE」系とは何だったのか『おっさんずラブ』シーズン2に腐女子たちが物申す! 「BLタブーを犯した」の意味とは?『つづ井さん』担当編集者に聞く、「腐女子」「オタク女子」コミックエッセイがウケる理由 次の記事 離婚した息子に依存する母親 >