カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「ar」11月号

Kis-My-Ft2・北山宏光と熱愛の内田理央、「ar」インタビューに見る“オタサーの姫”マインド

2020/11/07 16:00
島本有紀子(ライター)

 最後に見ていく企画は読み物「レイドバックしてみる?」です。レイドバックとは元は音楽用語で、「後ろにもたれかかるように、脱力してリラックスした状態」だそう。この企画では、生き方の概念として「レイドバック」を提案。タレントのユースケ・サンタマリアが「日本を代表するテキトーマインド爆イケおじさん」として登場し、レイドバックな生き方について3ページにわたって語っています。

 「arは高田純次にオファーを断られたのか?」という印象はありつつも、時代がテキトーさ、ユルさを求める方向へ移り変わっていっていることを実感しました。

 聞き手を務める編集部側は、実に真剣に“テキトー”を身に付けたい様子。「あぁ、テキトーになりたい(願)」と切実で、ユースケに「上手に冗談が言えるようになったら、何となくステキなテキトー女子に一歩近づける気がするのですが、どうしたらいいでしょうか」と質問します。

 テキトーに見える人を、本当にテキトーな人だと思っている素直さ。そして、テキトーさをも、真正面から学ぼうとするマジメすぎる姿勢には、ある意味、鈍感さがあるようにも見えます。

 対するユースケは、「メディアに出る時にそういうキャラに変身してるだけ」「どうやったらテキトーになれますかって、それは知らねーよって話で(笑)。自分で色々試しながらやってくれって話です」など、ごもっともな回答。「逆にホントにリラックスして素で来られても、コイツどんだけありのままなんだ? オマエ以外の周り全員が超気遣ってるぞ? って思う」とも話しています。

 “テキトーに見える人”より、「テキトーになりたい(願)」と言える人のほうが生来のテキトーさを身に付けている人なのではないか……と考えさせられた企画でした。

島本有紀子(ライター)

女性ファッション誌ウォッチャー。ファッションページから読み物ページまでチェックし、その女性誌の特性や読者像を想像するのが趣味。サイゾーウーマンでは、「ar」(主婦と生活社)と「Domani」(小学館)レビューを担当していた。

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最終更新:2020/11/07 16:00
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