『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』半年に及ぶコロナ自粛の影響「禍の中でこの街は ~新宿二丁目とコロナと私~」

2020/10/19 20:14
石徹白未亜(ライター)

心に風穴を開けてくれる生の迫力

 白い部屋ではないが、かつて私も新宿二丁目のショーパブに行ったことがある。10年以上前、母が上京したときに乗ったはとバス東京観光一日ツアーの締めくくりに入っていたのだ。

 「はとバスのお得なツアーで来た皆さ~ん」とキャストの客いじりでどっと沸いたあと、コミカルなショーから華やかでダイナミックなダンスまで、白い部屋同様に次から次に目まぐるしくステージが変化していく様は贅沢で圧巻で、感動のあまりキャストとツーショットチェキを撮ってしまったほどだ。

 これまでにコンサート、舞台などをいくつか見たし、ニューヨークでブロードウェイの舞台も見たが、個人的には二丁目のこのショーが生で見た舞台のナンバーワンだと思っている。演出や振付が優れているというのはもちろんあるだろうし、また、白い部屋同様、舞台と客席が近いため、笑える舞台もかっこいい舞台もとにかく心に迫るものがあるのだ。

 踊るキャストの息遣いやステップを踏んだ振動が客席まで伝わる。これはスマホの画面越しでは絶対伝わらないだろう。「迫力」とはよく言ったものだと思う。自分の感受性を自分で守るためにも二丁目のショーで、心に風穴を開けに行こうと思う。

 次週の『ザ・ノンフィクション』は「母の涙と罪と罰 2020 前編 ~元ヤクザ マナブとタカシの5年~」。元ヤクザのマナブとタカシが、更生のため生きる日々。なお、マナブとタカシが登場した前回の『ザ・ノンフィクション』の記事はこちらになる。


石徹白未亜(ライター)

石徹白未亜(ライター)

専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。

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最終更新:2020/10/19 20:14
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