コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

「採点ミスを疑っています」「絶対おかしい」中学受験不合格を引きずる母が、涙ながらに訴えたこと

2020/10/11 16:00
鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

 今現在、翔太君はというと、元気にH中学へ通い、部活の新人戦に向かって、練習にも熱が入っている様子だという。

「頭ではわかってはいるんです。私だけがいつまでもS中学に固執しているってことは……。こんなことを思って、ため息ばかりついていても、翔太に対して悪影響にしかならないってことも、わかっています。でも、心が追いついていかないんですよ……」

 そう言う麻美さんの声は、泣いているようだった。

 中学受験に傾ける親のエネルギーは膨大なので、その思惑が外れた時のショックは計り知れない。こういう時、当人にとって、「中学受験とはそういうもの」「H中学もいい学校」「いつまでも落ち込んでいたら、子どもが気に病む」といった「正論」は虚しく響くばかりだろう。

 しかし、麻美さんのような苦しみを吐露してきた人たちを数多く見てきた筆者は思う。

「時間薬のみが、中学受験で負った傷を治癒させることができる」

 多分、来年の今頃、麻美さんに会ったならば、少し遠いものを見るような眼差しで「今もS中学に未練はありますけど、H中学もなかなかなものですよ!」と微笑んでくれるのではないか……そんな予感がしている。

鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー、介護アドバイザー。我が子と二人三脚で中学受験に挑んだ実体験をもとにした『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などで知られ、長年、中学受験の取材し続けている。その他、子育て、夫婦関係、介護など、特に女性を悩ませる問題について執筆活動を展開。

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湘南オバちゃんクラブ

最終更新:2020/10/11 16:00
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