“中学受験”に見る親と子の姿

中学受験の初テストで「偏差値27」の衝撃! 塾では最後尾……「息子は優秀だと思っていた」母の焦燥

2020/09/13 16:00
鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

写真ACからの写真

 「中学受験あるある」の一つに、「我が子の模試の偏差値が思っていたより低くて、衝撃を受ける」というのがある。中学受験では、模試の結果が「偏差値30台」ということは、特に珍しくもないのだが、中学受験経験がない親にとっては“衝撃の数字”に見えてしまう。

 偏差値は、テストを受けた集団の中で自分がどれくらいの位置にいるかを表す数値であると共に、その平均は「50」であるということを、親はこれまでの我が身の実体験で理解しているが、意外と「母集団の違い」には気が付かないものだ。

 当然のことだが、偏差値はテストの規模、地域、時期、受験層によって大きく数値が異なるので、つまり異なるテストの偏差値というのは、一概に比較できないのである。

 さらに言えば、誰もが受けるわけではない中学受験は母集団が少ない。その上、小学校でも成績の上位層が受験しているので、もともと“できる集団”の中での指標なのだ。


 もちろん模試にもよるが、中学受験の偏差値50は、高校受験の偏差値60~65相当であると言われている。それゆえ、中学受験の偏差値は親が期待するよりも低く出がちになり、時に親の度肝を抜いてしまうことがあるのだ。

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