TikTokで世界的ブーム再燃!? ネット時代の音楽ジャンル「Jersey club」――K-Pop・EXOの“キシキシ”音に注目
ボルチモアを中心にリリースされるたくさんのBmoreに魅了されたニュージャージーのDJ TameilやDJ Tim Dollaは3時間かけて車でボルチモアに通い、現地で手に入れたレコードをニューアークの自分たちのパーティでプレイしました。
99年、TAPPの「Shake Dat Ass」や「Dikkontrol」などのBmore楽曲が人気を博しており、この「Dikkontrol」の「ドンドン ドッドッドッ」というビートが後のJersey clubの基本のリズムトラックとなっていきます。
■TAPP – Dikkontrol (93) 1:30~2:30
すごいタイトルの曲ですが、93年にリリースされたレコードはレア盤で非常に手に入りづらく、インターネットにフルで音源がアップされていないため、このようなDJミックスで一部を聞く方法しかない状態です。
DJ Tameilは、ニューアーク以外のアーティストが自分たちと同じスタイルのトラックをまだ作っていなかったため、2002年にニューアークの愛称である「Brick City」にちなんで、「Brick City club」というジャンル名を生み出します。自分たちの作ったトラックとBmoreのトラックを入れたミックステープを作り、前半はClub、後半はHouseというような構成でした。
ちなみに現在「Club music」というとクラブでかかるジャンルの音楽(≒ダンスミュージック)として捉えられがちですが、元々は90年代後半にニュージャージーで人気だったChicago HouseをClub musicと呼んでいました。その後、Baltimore clubとBrick City club(Jersey club)、またBaltimore clubから派生したPhilly clubの3つを指すようになります。ですので、このミックステープ前半の「Club」はBmoreやBrick City clubなどのことを指します。
■DJ Tameil – Grown Folks Shyt #1 (03)
ちなみに、00年代後半に生まれたPhilly club(もしくは単にPhilly)は別名Party musicとも言われ、位置的にボルチモアとニューアークの間にあったペンシルベニア州のフィラデルフィアの愛称「Philly」から来ています。
BmoreやJersey clubがフィラデルフィアで広まると、BPMは130~150に上昇し、サイレン音などが入るようになり、これがPhilly Clubとして確立していきます。
■DJ Sega – New Jack Philly (09)
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