TikTokで世界的ブーム再燃!? ネット時代の音楽ジャンル「Jersey club」――K-Pop・EXOの“キシキシ”音に注目
Jersey clubは2000年代前半ごろに形作られた音楽ジャンルの一つで、源流を辿ると90年代後半にニューアークのクラブシーンで人気だったChicago houseにたどり着きます。Chicago houseは以前Jukeという音楽ジャンルの紹介をした時に説明しましたが、一緒に紹介したGhetto houseやMiami bassなどもJukeとあわせてJersey clubに影響を与えています。
直接的にJersey clubに影響を与えたのは「Baltimore club(ボルチモア・クラブ)」というジャンルで、メリーランド州ボルチモアで1980年代後半にChicago house、Hardcore UK rave、Miami bass、Hip-houseなどさまざまなジャンルが交ざり合いできたものです。Bmore club(ビーモア・クラブ)やBmore(ビーモア)とも言います。
ボルチモアのDJたちはイギリスのレイブシーンではやっていたBreakbeat hardcoreの楽曲からインスピレーションを受け、それらの楽曲をDJでプレイしたり、サンプリングして曲作りをしていました。Breakbeat hardcoreはJungle紹介時の記事にも書いたように、後にJungleやDrum&Bassなどにも影響を与えており、記事ではAmen Breakに焦点を当てて話を進めましたが、BmoreへつながっていくのはThink BreakやSing Singのドラムブレイクになります。
Think BreakはLyn Collinsの「Think」という曲のドラムブレイク(動画内1:22~、1:34~などドラムがメインの部分)のことで、これを繰り返してトラックのビート部分に使用します。
■Lyn Collins – Think (about it) (1972)
GAZの「SING SING」はHiphopなども含め数え切れないほどの楽曲にサンプリングされていますが、インスト部分が多くいろいろな場所がサンプリングされています(0:10~、3:52~など)。
■GAZ – SING SING (1979)
ボルチモアのDJたちがプレイしたりサンプリングしたBreakbeat hardcoreには以下のようなものがあり、これらが後のBmoreを形作っていきます。
■The Blapps Posse – Don’t Hold Back (91)
■Epitome Of Hype – Too Much Energy (91)
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