元TOKO・山口達也、酒気帯び運転の疑いで逮捕……“孤立こそが追い込む”アルコール依存症を考える
2018年、女子高生に対する強制わいせつ容疑で書類送検され、TOKIOを脱退、ジャニーズ事務所から契約解除された山口達也が、9月22日、酒を飲んでバイクを運転したとして道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕された。山口は、交差点で信号待ちをしていた乗用車に追突。警察が呼気検査を行ったしたところ、基準値を上回る「500mlのビール缶7〜8本」相当のアルコール分を検出したという。
TOKIOは、前日21日に、デビュー26周年を迎えたばかり。同日、ファンクラブ会員向けに送られた会報のインタビューでは、メンバーが山口の名前を出す場面もあり、ファンは大喜びしていたが、逮捕の一報を受け、SNS上は一転、悲痛な声が飛び交うこととなった。
かねてからアルコール依存の疑惑がささやかれ、18年の事件時も飲酒をしており、謝罪会見では「酒に酔っていたので覚えていない」とも発言していた山口。そして今回、またもアルコールがらみの事故を起こしただけに、ネット上では「まだ酒をやめていなかったなんて」「多くの人に迷惑をかけたのに、何を考えているんだ」「自分に甘すぎる」などと非難の声が噴出しているのだが、一方で、「アルコール依存症は恐ろしい病気」「まずは治療に専念を」「責めすぎることで更生の道を阻んではいけない」と、山口に寄り添うようなコメントも散見される。
このアルコール依存症とは、一体どのような病気なのか……サイゾーウーマンではかつて国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部長の松本俊彦氏に取材を行っている。松本氏いわく、特に女性の発症が急増しているとのことで、その社会的背景と対策についても話を伺った。強制わいせつ、酒気帯び運転の罪は決して軽んじてはならないが、山口逮捕で、あらためて「アルコール依存症」に注目が集まる中、同記事を再掲する。
(初出:2018年7月27日)
「アルコール依存症」は女性のほうが発症しやすい! その社会的背景と対策を医師に聞いた
年々、患者数が増えているといわれるアルコール依存症。なかでも、特に女性の発症が急増しているという。そもそもアルコール依存症とはどのような病気なのか? なぜ女性の発症者数が増えているのか? その対策法、治療法などを、国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部長の松本俊彦氏に聞いた。
体調が悪くてもお酒を飲み続けてしまうアルコール依存症
アルコール依存症と一口に言っても、さまざまな類型があり、十把一絡げに定義するのは難しい。ただ、どのタイプでも共通しているのは「お酒を飲むことのデメリットがあまりにも明らかになっているにもかかわらず、お酒をやめることができない、もしくは控えることさえもできなくなっている状態」だと松本氏は言う。
「前の日にお酒を飲みすぎて体調が悪かったりすると、多くの人が『今日は飲むのをやめよう』と考えるものですが、それでもまた飲んでしまったり、1杯にしておこうと思っても、歯止めが利かずにとことん飲み続けてしまったりするのは、アルコール依存症の典型的な症状です」(松本氏、以下同)
また、二日酔いで体調がすぐれない状態を緩和させるために酒を飲む、いわゆる「迎え酒」も、アルコール依存症患者に多く見られる症状だという。
アルコール依存症の人は、体内のアルコール濃度が下がってくると、手や全身の震えや幻覚、発汗、不眠、吐き気などの離脱症状がみられるようになる。その不快感から逃れようと、さらに酒を飲み続けるという悪循環に陥ってしまうのだ。