コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき88

「ヤクザでも誰でも等しく人権はある」元極妻が考える工藤會の“死刑判決”

2020/09/13 16:00
待田芳子(作家)

 こんなことを書くと、「ヤクザに人権なんかない。接見禁止は当然。さっさと死刑になれ」とか言われそうですね。まあ、しょうがない部分はあるんですが……。それで、少し前に、テレビで弁護士の三輪記子さんが「だれにでもひとしく人権がある」とおっしゃっていて、とてもうれしかったです。

 横浜刑務所の受刑者が、HIVの血液検査で陽性だったのに放置されてエイズを発症してしまった事件があったのですが、それについて、「人権は『あるかないか』ではなく、すべての人に保障されるもの。たとえ受刑者であっても、その大原則は変わりません。一般の方同様に、治療を受ける権利ももちろんあります。これを機会に、こうした原則がもっと社会に周知されるようになってほしいと思います」とおっしゃっていました。

 もう三輪先生の大ファンになってしまいました。東大法学部卒の美人さん、そして自他共に認めるヤリマ〇て、最高のキャラですよね。私が逮捕されたら、ぜひ弁護をお願いしたいです。今のところ思い当たるフシはないのですが、どこからどうタマが飛んでくるか、わかりませんからね。

「留置場お泊まりセット」とガサ入れ対策

 ちなみにオットが生きていた頃は、オットの分と共に私の分も「留置場お泊まりセット」を、いつも用意していました。スーツケースに新品のパンツとか靴下とかを入れておいて、いざとなったら、そのまま差し入れてもらうんです。オットは何度も使う機会がありましたが、おかげさまで私は使うことがないまま終わりました。もちろん、夏物や冬物に入れ替えたりはしていましたよ。今となっては懐かしい思い出です。

 そういえば、以前取材を受けた女性ライターさんは、ガサ入れ(家宅捜索)対策として、下着を入れてある引き出しに100均で買ったゴムのゴキブリやゲジゲジのおもちゃを入れているとおっしゃっていました。ヤクザの裁判などを取材しているので、警察にはかなりマークされているそうです。

 たしかにガサ入れの時って、刑事さんたちは下着とか生理用品をマジマジと見るんですよ。「男ってやあね」という感想しかないんですけど、「下着がゴムくさくなるのでツラい」そうです(笑)。ライターさんは、今も逮捕されずにがんばっておられます。

待田芳子(作家)

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻。夫とは死別。本名・出身地もろもろ非公開。自他共に認める癒やし系。著書に『極姐2.0 旦那の真珠は痛いだけ』(徳間書店)がある。

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最終更新:2020/09/13 16:00
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