コラム
“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第520回】

山下智久とKAT-TUN・亀梨和也を擁護するため、未成年女性を責め立てる「女性セブン」

2020/08/25 21:00
神林広恵(ライター)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

「女性セブン」9月3日号(小学館)

コロナの収束が見えない中、気になる報道が。一度感染した香港の男性が4カ月後にまた再感染。1度目と2度目では別のコロナウイルス株だったとか。まだまだコロナはわからないことだらけ。なんだか嫌になるニュースばかりだ。

第520回(8/20〜8/25発売号より)
1位「山下智久『女子高生と飲酒&お泊まり騒動』で急転!活動自粛までの全真相」(「女性セブン」9月3日号)
2位「田中みな実 突然の事務所移籍の裏に、あの女優が救いの手『辞めてほしかった…』元事務所の本音」(「週刊女性」9月8日号)
3位「石田純一『理子とは別れない…』懲りない『自爆の酒席』が怯える“黒幕”団体」(「女性自身」9月8日号)

 出た! 御用マスコミの必殺技! 山下智久とKAT-TUN亀梨和也の2人が未成年女性と飲酒するなどして処分を受けた一件。先週の「週刊女性」では山下のジャニーズ事務所“退所説”まで飛び出したが、今度は「女性セブン」が一緒に飲酒したとされる女性たちへの攻撃を開始したのだ。

 記事では、初っ端から山下の憔悴ぶりを紹介、さらに“山下の知人”がこうまくし立てたというのだ。

「彼は騙されたんですよ。ハメられたのではないかとさえ思っています!」

 さらに女の子たちを呼んだのはバーの店長であり、店長が“男性だけだと寂しいだろう”と気を利かせただけで、しかも山下たちは年齢確認をしていたはず、などとまるで落ち度はなかったかのように擁護しているのだ。

 そもそも店長が“気を利かせて”というのも大きな疑問がある。芸能人御用達の店では、芸能人に“紹介”と称して女性をあてがうこともある、今回もそれに該当する可能性は捨てきれない。しかし記事ではそうした事情をスルー。まるで年齢詐称した女性たちこそ問題だと言わんばかり。そしてこんな記述も。

「嘘は信じてしまう側よりもつく側が悪いのは明らか」

 おいおい。実際ジャニーズ事務所も処分発表の際、「(女性が)積極的に年齢を偽っていた」と主張していたが、「セブン」もそんな言い訳に完全に乗っかり、女性たちを、しかも未成年者を責め立てることで、山下と亀梨を完全擁護した。あまりに卑劣としか言いようがない。

 今回に限らず、特にジャニーズタレントが熱愛発覚や未成年飲酒をした際、マスコミがよく使う手口、それが今回のように男性タレント側ではなく相手の女性への攻撃だ。嵐・松本潤のキチク二股スキャンダルの際も相手の葵つかさへのバッシングが吹き荒れたし、NEWS・小山慶一郎と加藤シゲアキの未成年女性と飲酒が発覚した際もそう。さらに、コトが発覚したのは女性側がマスコミにリークしただの、売名行為だの、あるいは美人局だのと攻撃するのだ。全てはジャニーズタレントを守るために、だ。

 弱者を、被害者を貶める芸能界、そして芸能マスコミの悪習はいつまで続くのだろう。

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