抗体検査キットを「超不器用」が使ったら……「もう二度とやりたくない」と思った3つの壁
しかし、ここで最初の壁にぶち当たる。ランセットは小さな長方形の箱型で、指の腹に先端部分をグッと押し込むことで針が出る仕組みになっているのだが、想像以上に緊張するのである。というのも筆者、実はキットが到着した際、説明書を読まないまま、このランセットをいじっていたところ、誤まって親指に刺してしまい、突然の痛みに悶絶! 慌てて説明書を読むと、「使用した針は再使用できません」「失敗した場合などは、必ず購入元にお問い合わせください」と注意書きがあり、結果的に再送してもらうという経緯があった。おそらく失敗する人が多いのだろう。
またあの痛みが……もし失敗したら……と思うと、恐怖で勇気が出ず、もんもんと室内を歩き回ることに。普段注射を打っているヒジの内側ではなく、指の腹というのは、なんとなく痛みが大きいような気がしてならない。30分近く悩み、ようやく覚悟を決めて採血針を刺すと、無事に出血。しかし、想像以上の痛みと痺れがあり、さらに刺した周辺がうっ血してきて、心が折れてしまいそうになった。
しかし、この次に、スポイトで血を吸い上げなくてはならない。説明書には、「最初の血滴を殺菌した綿球で拭う」とあるが、キットに綿球は入っていないことが発覚し、ちょっとしたパニックに。とりあえず最初に使用したアルコールコットンを綿球の代用としたが、ここで2つ目の壁にぶち当たる。最初の血滴を拭った結果、ほとんど血がなくなってしまったのである。
「どうしよう! どうしよう!!」と慌てふためき、スポイトの先で刺した部分を刺激するも、出血はせず。いったんスポイトを手放し、刺した部分の周辺をグイグイ押すと、ようやく新たな出血があったが、その量はごくわずかで、スポイトで吸おうにもうまくいかず。手先が不器用だからか、何とか血液を吸っても、スポイトの上部をグッと押してしまい、全てリリースといったハプニングもあった。