サイゾーウーマンカルチャー彼氏いない歴=36歳の本音に共感 カルチャー 『21世紀の処女』誌上読書会 「ベテラン処女」彼氏いない歴=36歳の本音に共感!? 「東方神起で友情」「陰毛に白い毛」アラフォー座談会 2020/08/28 13:30 サイゾーウーマン編集部 『21世紀の処女』(双葉社) 「喪女」「年齢=彼氏いない歴」といった言葉がネット上に現れてから、どれほどの歳月がたっただろうか。もともとはネットのスラングだったが、2018年には、NHK『ねほりんぱほりん』で「喪女」が取り上げられ、「年齢=彼氏いない歴の女性」、つまり「処女」だと説明されるまでになった。それから現在までも、いまだ喪女関連の話題は注目を集めて続けているが、そんな中、36歳=彼氏いない歴の処女・一子をめぐる小説『21世紀の処女』(双葉社、『知られざるわたしの日記 ベテラン処女の最後の一年』から改題)が8月7日に発売された。 同作は「ベテラン処女」の編集者・勅使河原一子の日記形式でつづられる小説。36歳の誕生日を迎えたその日から日記は始まり、1年以内の処女喪失を目指して奮闘する日々が赤裸々に書かれている。しかし一子の頭の中は、自慰とAV、電マといった下ネタや、東方神起などK-POPアイドルのことばかりで、行動も暴走しがちだ。そんな一子と『21世紀の処女』について語り合うべく、今回は座談会を開催。くしくも、一子と同業で同世代の女性3人が集まった。 【出席者】 ◎A子:31歳 男性向け月刊誌と男性向けウェブメディアの編集者。 ◎B美:36歳 女性向けウェブメディア編集者。男性雑誌の編集部から転職。 ◎C代:41歳 フリーランスのライター&編集者。男性向けから女性向けまでいろいろ。 乳首や陰毛や処女で悩んでいるけど…… ――36歳の「ベテラン処女」がテーマの本でしたが、どうでした? A子 一子にすごく共感したところがありましたね。私、実は陥没乳首で悩んでて(笑)。歳をとったら自然と治ったんだけど、10代の頃は一子みたいに手術を本気で考えてたから、過去を思い出して悶絶した。 B美 いきなりすごいカミングアウト! 一子の手術はすごくつらそうだったから、自然に治って済んでよかったね(笑)。 C代 一子が陰毛に白いのを見つけてショック受けてたシーンは、自分のことかと思った。私も一子と同じ36歳のときに見つけて、「はぁっ!?!?」って、二度見。出先のトイレで声出ちゃった(笑)。 B美 一子って、乳首や陰毛や処女で悩んでいるけど自己肯定力が強くないですか? 意中の相手にアピールするために、急にギャルファッションで出社したり、ちょっと落ち込んだだけで仕事休んだり、他人の目を気にしてるのに実はまったく気にしてない。それに、自己嫌悪してる人は、あんなに明るくないと思った。 A子 日記ですごく自虐してるよね。自虐できる時点で、自分のことを俯瞰して見てる。他人の目を気にしすぎているというネガティブな感じではなくて、本当はすごく周囲が「見えてる」し、なおかつ自分を持っている子と思った。 ――一子は編集者でみなさんと同業ですよね。一子の仕事ぶりはどうですか? C代 一子の日記はボキャブラリーが豊かだし、妄想力、思い込んだことは猪突猛進なところも編集やライター向きだなって思った。だから、経理から編集部に異動になってよかった! 編集部の男性社員・カニ山は、よくぞ声をかけてくれた! A子 カニ山はいい上司だなー。一子を適材適所に配置したよね。仕事以外は女にだらしないダメな男かもしれないけど、一子の才能を見抜く目を持ってた。 B美 でもカニ山、アラフィフの男性編集者にいがちなタイプな気もする。一子がチンコとか包茎、AVの話をするから「面白い!」「お前はセンスある」と買ってるワケでしょ? そういう過激な下ネタを話す女子を「面白い」と評価するオジサン、よくいる感じだなあって。結局、一子に任せたのも「AV現場取材」だし。 C代 そう言われてみれば、典型的な男性編集者かも。カニ山みたいに、見た目がキレイでかわいい女性スタッフ・緑川を愛玩道具としてそばにおきつつ、一子みたいな子には「お前は面白い!」と発破をかけて、どんどん仕事させるって構図。いろんな編集部で見るな……。リアルだなあ。 A子 あとは企画会議のシーン。一子がライターの持ってきた「合コンの成功率を上げるLINE術」企画に「死ぬほどつまんねー」「無性にムカムカしてきた」って心で毒づいてるところが面白かった。私もあんなの提案されたらつまらなさに白目剥く! でも、その手の記事ってよく読まれるんだよね……。 B子 「彼にかわいいと思われるLINE術」とかでしょ? あんな記事、得体のしれない人たちが適当に書いてるのにね。そういうつまんない記事多い。 C代 その手の記事を書いてるライターが、一子の大好きな東方神起のインタビューをやったと判明したときも印象的だった。「なぜこんなダサい女が東方神起に会えて、私が会えないのか」って愕然とするところ。一子にとったら、つまらない=ダサいんだよね。でも一子よ、残念ながら、面白さよりダサいコピペ文が求められる世界もあるのだよ……。 次のページ 東方神起のチャンミンの言葉にズーン 123次のページ