サイゾーウーマンカルチャーインタビュー坂上忍はなぜ暴言を吐くのか カルチャー [再掲]インタビュー 坂上忍はなぜ「高圧的で暴言を吐く」のか? 『バイキング』3時間拡大に反対続出……嫌われる「怒りっぽいオジサン」の正体 2020/07/10 21:30 サイゾーウーマン編集部 インタビュー 『バイキング』(フジテレビ系)公式サイトより 坂上忍がMCを務める昼の情報番組『バイキング』(フジテレビ系)が10月より、現在の2時間枠から3時間枠に拡大されることなったという。しかし、ネット上には歓迎ムードはほとんどなく、「フジテレビの判断はあり得ない」「本当は打ち切ってほしいくらいなのに」などと反対の声が噴出している。 なぜ『バイキング』はこれほどまで、忌み嫌われてしまったのだろう。ネット上の声を見ていくと、MC・坂上の不人気ぶりがその原因と考えられる。「高圧的な態度で、共演者を萎縮させている」「すぐ感情的になる」「言葉がキツすぎて不快。もはや暴言」「他人の意見に聞く耳を貸さず、自分の意見を押し付けようとする」などなど、坂上の言動には苦言がわんさか出てくるような状態なのだ。 しかし、坂上のような「オジサン」は、決して稀な存在ではないのではないか。職場や親戚、近隣住人など、身の回りにも「怒りっぽいオジサン」がいるという人は少なくないはず。実はサイゾーウーマンでは以前、そんな「オジサン」の謎を、ホルモンという観点から考えるべき、『男性機能の「真実」』(ブックマン社)の著者である泌尿器科・永井敦医師にインタビューを行っていた。永井医師が指摘する「男性更年期」とは何か……坂上はじめ、周りの「怒りっぽいオジサン」に、「なぜ冷静になれないの?」と疑問を抱いている人に、ぜひ一読してもらいたい。 (編集部) (初出:2017年8月29日) 梅沢富美男や坂上忍が怒る理由ーー泌尿器科医が語る「オジサン」とホルモンの関係 女性が男性を罵倒する――自身の秘書(現在は退職)を罵りまくるパワハラ音声で一躍“時の人”となった衆議院議員の豊田真由子氏だが、このニュースがこれだけ注目されたのは、豊田氏が女性だからではないだろうか? これが男性、特に年配の男性であれば、ひどいと思いこそすれ、「意外」と感じる人は少ないだろう。 メディアでは、「怒れるオジサン」が目立っている。ここでいうオジサンとは単に年齢を重ねた男性ではなく、なぜかいつも不機嫌で、狭量かつ尊大、人の意見に耳を貸さず、総じて怒りっぽい男性を指す。 かつては中尾彬がその代表格だったが、いまなら梅沢富美男といったところか。今年7月に『あさイチ』(NHK)に出演した際は、「怒る役割を求められているから、そう演じている」といった内容の発言があったが、演技だったとしても、いつも何かしら怒っているオジサン像に、私たちは特に違和感を抱かない。そこにセクハラ、パワハラ、ヘイト、セカンドレイプ的な発言があっても、どこかで「まあ、オジサンだから」と思ってしまうこともある。司会を務める『バイキング』(フジテレビ系)での暴言がたびたび取り上げられる坂上忍も現在50歳、十分オジサンだろう。 芸能界だけでなく、政治家、SNS、ニュースサイトのコメント欄、そして職場や家族など身近なところ……オジサンは至るところに出没するが、年を取ったら人間が円くなるというのは、ウソなのだろうか……? ■“オジサン”化の原因は、男性ホルモンの減少!? 「もちろん年を取るごとに度量が大きく、穏やかになる男性も多いのですが、確かにだんだん気難しくなる男性も少なくないですね。これは泌尿器科的観点から男性ホルモンであるテストステロンに注目してみると、ある程度の答えが出ます」 そう話してくれたのは、泌尿器科の永井敦医師。6月に『男性機能の「真実」』(ブックマン社)を上梓した、男性機能と男性ホルモンのエキスパートだ。 「『男性更年期』という言葉を聞いたことがありますか? 私たちは“加齢男性性腺機能低下(LOH)症候群”といいますが、早い人で40代、平均50歳前後から徐々に男性ホルモンの一種、テストステロンが減少するために起きるものです。筋力低下、骨粗しょう症、認知機能低下、メタボリック症候群、そして性機能障害など健康状態を悪化させるだけでなく、元気がなくなる、仕事への意欲が低下する、涙もろくなる、どん底にいる感じがする……などといった影響が出ます。人によっては、イライラして当たり散らしたり、些細なことにすぐ腹を立てたり、逆に神経質になって、いつもソワソワしてしまったり、といった症状が出ることもあります。日本人男性の600万人が、このLOH症候群に悩んでいるともいわれています」 永井医師は、前近代の中国で後宮に仕えていた宦官(かんがん)を例に挙げる。彼らは宮廷の女性らと常に接するため、間違いが起きないよう、あらかじめ精巣を摘出されていた。 「そうするとテストステロンが分泌されないので性欲は感じないし、見た目も多少女性っぽくなるのですが、出世欲や権力欲がどんどん加速して、最後にはその影響で王朝が滅ぶに至ったこともあるそうです。テストステロン値は一般的に闘争心や野心との関連が深いといわれますが、これがないことで、かえって逆に権力にしがみつくようになり、相手を蹴落とし、傲慢になる者もいたのかもしれません」 次のページ 泌尿器科の治療で、煙たがられるオジサンが減る? 12次のページ Yahoo 男性機能の「真実」/永井敦 関連記事 いしのようこをめぐり、坂上忍と三角関係に――「志村けん追悼」記事で振り返る、30年前の恋愛スキャンダル坂上忍、MCとしての視聴者評価は? 「薄っぺらい」「毒舌だけど思いやりも」100人に本音調査宮迫博之の『バイキング』降板と「ワイドショーの方々の臆測」発言に考える、坂上忍の胸中坂上忍、32年前の「工藤夕貴との確執」暴露――「オトコの方がしつこい」言説を考える坂上忍をフジが「神様扱い」!? 『バイキング』視聴者離れも「独裁体制」崩さないワケ