セブン・ローソン・ファミマ「冷やし中華」ランキング! コンビニ486円で「総合的にすごい」第1位は?
「おいしいごはんが食べたい、でも自炊するのはめんどくさい!」そんなズボラ女子の救世主といえば、コンビニ・ファミレス・ファストフード! 毎日の食事をおいしく楽チンにするため、“お酒とおつまみ大好き”管理栄養士・川村郁子先生に、さまざまなテーマに合わせた「おすすめメニュー」を聞いちゃいます。
セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート「冷やし中華」ランキング!
暑くなってくると、ふと食べたくなるのが「冷やし中華」。コンビニに並んでいるのを見て「夏だな~」と感じる風物詩でもありますよね。ということで今回は、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートの冷やし中華を、栄養素の面から川村先生に比較していただき、ランキングをつけていきます!
――まず、冷やし中華の栄養素について教えてください。
川村郁子先生(以下、川村) 冷やし中華はラーメンやパスタなどに比べると脂質が低く、タンパク質やその他の栄養素も効率的に補えます。具材が多いので、少量ずつでもいろいろな栄養素を摂ることができますし、1品でそこそこ栄養バランスを整えたいときにおすすめです。手軽に多くの栄養素を摂取できるという意味では、コスパも高いといえるのではないでしょうか。私も、1品でサッと食事を済ませつつ、栄養も補いたいというときには、冷やし中華を選びますよ。
――冷やし中華で摂れる、主な栄養素はどんなものですか?
川村 炭水化物やタンパク質、脂質といったエネルギー源になる栄養素や、トッピングの具材に含まれる食物繊維、カリウム、ビタミンB群などです。具材によって違いはありますが、例えば、きくらげが入っていればビタミンD、豚肉が入っていれば鉄や亜鉛などを補うことができます。きゅうりが入っているのをよく見ますが、あまり栄養価が期待できる野菜とはいえません。カリウムと少量のビタミンC、あとは「歯ごたえがいい」といったところでしょうか。
――ではさっそく、順位発表をお願いします!
川村 栄養面や具材のバランスなどをチェックし、私の独断と偏見で選ばせていただきますと、第1位は「ファミリーマート」です。特に、「ごまだれ冷し中華」(税込486円)が総合的にすごくいいですね。
カロリーが446kcalと控えめでありつつ、鶏肉や卵が入っていて、たんぱく質をしっかりと補うことができます。脂質が13.3g、炭水化物も61.7gと、ほかの冷やし中華と比較すると控えめなのも高評価。野菜がきゅうりと少量の紅ショウガだけというのは寂しいですが、ワカメが入っているので、食物繊維は補えますね。また、ごまだれは普通のたれと比べて脂質やカロリーが高くなりがちですが、カルシウムや鉄などの微量栄養素が含まれるので、より多くの栄養素をプラスしたいという人は、ごまだれを選ぶといいでしょう。
その他、具だくさんで食べごたえのありそうな「炙り焼チャーシューの冷し中華」もおすすめ。カロリーは499kcalと少し高いですが、具材にもやしやきゅうりなど歯ごたえのある野菜類が入っているので、咀嚼回数が増えて満腹感を得られそうなのが高評価です。
――続いて、第2位をお願いします。
川村 第2位は「ローソン」です。「醤油だれの冷し中華(直火焼チャーシュー)」(税込498円)がいいですね。カロリーは525kcal、炭水化物も87.1gと、ファミリーマートの「ごまだれ冷し中華」と比較するとちょっと高め。しかし、錦糸卵とゆで卵に加え、大きめのチャーシューが入っているので、タンパク質が1食でしっかり補えます。かつ、脂質は10.2gと控えめなのがうれしいポイントだと思います。
その他、ローソンは「胡麻だれの冷し中華(しっとり鶏チャーシュー)」も脂質が控えめでタンパク質が多く摂れるメニュー。“高たんぱく質・低脂質”なメニューを探しているなら、ローソンに行くのがいいでしょう。
――「セブン-イレブン」は第3位となりましたが……その理由を教えてください。
川村 正直なところ、セブン-イレブンの冷やし中華は私もよく食べますし、味はとても好きです。しかし、栄養面で見ると他社が優秀すぎて、第3位になってしまいました。
「6種具材のこだわり 夏の冷し中華」(税込496円)は具材が多く、コリコリとした食感が楽しめる味付けくらげのほか、ワカメやきゅうりなど、冷やし中華に欠かせない食材も入っていて魅力的です。ただ、炭水化物が96.7g、食塩相当量も5.2gとどちらも多い点が気になりました。特に食塩相当量は、他社の冷やし中華がほぼ4g台なのを考えると、どうしても評価は下がります。塩分の摂りすぎを防ぐためにも、たれは飲み干さないことをおすすめします。
また「香味オイルを混ぜる!冷しネギ中華」も、個人的には好きなメニューなのですが、栄養バランスという面で考えると、具材がちょっと少ないように思います。とはいえ、おいしいことはおいしいので(笑)、サラダをプラスするなどして、工夫しながら食べるといいでしょう。
3社のメニューを比較してきましたが、冷やし中華はスープに酸味があり、さっぱりしているので、暑くて食欲のないときでも食べやすいのがいいポイント。冷やし中華で手軽にバランスよく栄養を摂って、暑い夏を乗り切っていきましょう!
(文:佐藤真琴)
■川村郁子(かわむら・いくこ)
管理栄養士。中村学園大学栄養科学部栄養科学科卒業。九州の病院栄養士経験を経て独立。レストランのヘルシーメニュー監修、栄養専門学校講師、企業・大学での食育講演を行いながら、「コンビニや外食との上手な付き合い方」「15分で作れるかんたん栄養めし」の提案をしている。
インスタグラム:@shokuikuko/WEBサイト:「酒好きの食育」 https://shokuikuko.net/