ミルクボーイ、かまいたち&ぺこぱより露出減……「新鮮味なくなった」現状をテレビマンが評価
「今、ベルマークをいただきました」「今、長めの茶柱をいただきました」「今、『ねるねるねるね』の2ばんの粉をいただきました」。お笑い好きでなくても、こんなフレーズをどこかで聞いたことはないだろうか。そう、昨年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で優勝したミルクボーイのつかみだ。
「オカンが名前を忘れてしまった物」というテーマに基づき、その名を当てるため「行ったり来たりする」という漫才で、史上最高得点の681点を記録。一夜にしてスターダムに駆け上がった、まさに「M-1ドリーム」を体現した2人である。
ただし、最近あまりテレビで見かけない印象だ。それより2位のかまいたち、さらには3位のぺこぱのほうが露出があるほど。一体、どうしてテレビに呼ばれなくなったのだろうか?
「まずはそのビジュアルです。内海崇、駒場孝の2人はともに34歳ですが、どちらもイケメンというわけではなく、また華があるわけでもありません。といって、アインシュタイン・稲田直樹のようなブサイクや、安田大サーカス・クロちゃんのようなキモキャラで売っているわけでもない。文字通り“おじさん”のため、バラエティに出たての芸人にとっての“洗礼”となる“見た目イジリ”ができないのです」(放送作家)
そのため番組サイドは、彼らの武器である「行ったり来たり漫才」を披露してもらおうと、番組名をテーマにネタを作ってもらうという。
「『VS嵐』(フジテレビ系)に出たときは『VS嵐』を、『櫻井・有吉 THE夜会』(TBS系)の時は櫻井翔をテーマに仕上げてきました。しかし、あの“漫才システム”に慣れてしまったために、そこまで新鮮味もなく、まさに『うまく作ってきたなあ』という感想しか湧かないのです」(芸能関係者)
また、「芸人は2度売れなければならない」と言われる。例えばネタで注目されたら、今度はトークスキルやキャラクターでさらに認知されなければならないというものだ。
例えば『M-1グランプリ2008』で優勝した NON STYLEの場合は、井上裕介のポジティブキャラ、準優勝のオードリーでいうと春日俊彰の節約ネタが、その後フィーチャーされていった。
「ミルクボーイも唯一、引っ張れるネタがありました。それが、内海と9年交際している一般女性の存在です。内海には、3カ月連続で月収30万円を超えたら婚約するという約束があったのですが、4月末、早々にそのノルマも達成。約束通り婚約したかと思えば、6月1日に結婚報告がありました。また、先に結婚していた駒場は、どんなに遠い仕事先でも妻を自腹で連れていくことを何度か話しています。だからといって、例えば羽野晶紀が大好きすぎてリップクリームを共有したがる和泉元彌や、雛形あきこのアイドル時代の等身大パネルを集める夫・天野浩成のような、バラエティ向きの話をするわけでもないので、広がりがないのです」(バラエティ番組スタッフ)
だが、そんな我々の余計な揚げ足取りも心配なかろう。バラエティの道で生きるよりも、漫才を極めたいと公言している彼らにとって朗報が届いた。吉本興業が5月28日、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の解除を受け、6月6日から段階的に公演を再開すると発表したのだ。テレビに消費されるより、舞台や劇場で地道にやるほうが、長い目でみたらいいのかもしれない。