サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュー『ザ・ノン』心の問題はゼロにせんでいい 芸能 『ザ・ノンフィクション』レビュー 『ザ・ノンフィクション』心の問題をゼロにしようとするから苦しい「夜だけ開く心の診療所 ~生きづらい時代の物語~」 2020/05/25 17:33 石徹白未亜(ライター) 『ザ・ノンフィクション』レビュー 生きづらさの正体は、今の人特有のモノの考え方のせい? 今回のサブタイトルは「~生きづらい時代の物語~」。今が「生きづらい時代」になったのは、こういった「問題をゼロにする(問題がなかった頃に戻る)」のが正解だ、良いことだ、とする凝り固まった価値観もあるのではないかと思う。 うつ病で休職中の若い男性社員に付き添って訪れた会社の上司は、復職のプログラム作成を片上に依頼する。心の病にかかった社員を見捨てずに、夜、休職中の社員に付き添ってクリニックを訪れるとは、なんていい人だと思うが、一方で「完璧な復職プラン」を求めている雰囲気もあり、片上から再発の可能性は50%くらいあると聞いて困惑していた。 「完璧な正解がどこかにあるのだろう(少なくとも専門家は知っているのだろう)」という発想も、先ほどの「問題をゼロにする」と同様に、理想が高いように思える。実際は戻れるか戻れないかは半々で、復職する側だけでなく、復職を支援する側も疲弊せず、気長に、というあたりが現実的なのだろう。これまた歯切れの悪いスッキリしない状態だが、現実はそうそうスッキリとはいかない。 案外「生きづらさ」の原因は、「問題をなくさなくてはいけない」「どこかに一つの正解があるはず」という考えによるのではないか。検索すればなんでも見つかるように見えるネット社会の弊害なのだろうか。逆に言えば、昔の日本人は問題に対しどう対処していたのだろう。ひたすら耐え忍ぶことでやり過ごしたのか、それとも「ゼロにせんでも、エエわ、を目指す」がもっと自然にできていたのだろうか。 次週のザ・ノンフィクションは「家族のカタチ~ふたりのお母さんがいる家~」。西山嘉克とゆかりは2012年に結婚するが、わずか8カ月後、嘉克は仕事の助手である裕子も好きだとゆかりに衝撃の告白をする。結果、父1人母2人子6人となった西山家の暮らしについて。 前のページ12 石徹白未亜(ライター) 専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。 記事一覧 X:@zPvDKtu9XhnyIvl いとしろ堂 最終更新:2020/05/25 17:33 Yahoo 片上徹也 夜しか開かない精神科診療所 Book ゼロにせんでも、抱えながらエエ感じ目指します 関連記事 『ザ・ノンフィクション』18年を共にした愛犬との別れ「花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~ 後編」『ザ・ノンフィクション』「獣医師と行政が悪い」と語る院長の真意「花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~ 前編『ザ・ノンフィクション』人が消えたナイトクラブの苦悩「銀座の夜は いま・・・菜々江ママの天国と地獄」『ザ・ノンフィクション』鈍感さの弱みと強み「52歳でクビになりました。~クズ芸人の生きる道~」『ザ・ノンフィクション』現実から逃げる中年と決意するハタチ「余命3年の社長と刑務所を出た男 後編~塀の外の挫折と旅立ち~」 次の記事 NEWS・手越、反省の色ナシにファン呆れ >