ウエンツ瑛士、「高下駄を履かされた自分」からの脱却……ロンドン留学後の活躍をホメゴロス!
さて、「1年半、朝から晩までみっちり勉強した」英語こそ日常会話程度の仕上がりだったウエンツであるが、本場で演劇を学んだとあって、表現の引き出しのほうは何倍増にもなったのではないだろうか。そんな期待を込めて彼が出演した4月17日放送の『ダウンタウンなう』を見てみた。ミルクボーイをトークゲストに想定し、久々にMCの腕試しを敢行すると、当初はまったく立ち行かなかったものの、「ヘタレぶりを叱られる」という逃げ道コースに飛び乗ることで、その場を成立させていた。さすがは演劇学校で身につけたアドリブ力である。そして最終的には、「ロンドンでも“それ”が猛威を振るい、モテた」と豪語し、アメリカ人の良さ(長さ)と日本人の良さ(硬さ)を併せ持つと嘯く“ウエンツJr.”を松本人志に見てもらい、「ぜんぜん和洋折衷じゃねえし」とツッコまれる“等身大”の下ネタオチで締めくくっていた。
加えて、4月19日と27日、前・後編の2週にわたり『おしゃれイズム』で披露したエピソード・トークの内容はというと、渡英したての頃、住まいが決まっていないのでロンドンでは銀行口座が開設できず、スペインまで口座を作りに行った話、エアコンの修理業者が予定日に来なかった話、パリに誤送された荷物がびしょ濡れだった話、言葉が伝わらないので全裸で踊って友達を作った話、「ラーメンマン」というIDでインスタグラムを始めた話等々、面白くn……あ、いや、自然体のエピソードをたっぷりと語っていた。しかし、小栗旬や大竹しのぶがロンドンまで陣中見舞いに来てくれたエピソードも披露し、ビッグネームとの懇意アピールをきちんと仕込むあたりは抜かりない。
こうして見てみると、もしかしたらウエンツのロンドン留学は、これまで「芸能界随一の強大な政治力を誇る所属事務所」による庇護のもと、分不相応な高下駄を履かされてきた自分から脱却するため、“等身大”の自分を取り戻すための旅だった……のかもしれないと、思えてこなくもない。
1年半の貴重な体験を経て、不器用に素の自分をさらけ出すことでリスタートを図る(とはいえ綿密に復帰の地盤固めを行っていたが)彼の姿は、『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)のテーマ曲のサビ「♪生きて〜る生〜き〜て〜いる〜」が聞こえてきそうな味わいがある。今後は「日本のバラエティを軸にして年に1回ロンドンのオーディションを受けに行く」というウエンツ。現在はコロナ禍のため、主にインスタグラムで“等身大”の魅力を発信し続ける彼を、これからも見守っていきたい。