ストップ買いだめ

加藤綾子、「買いだめを煽らない」と表明したワケ――関係者は「フジテレビの視聴率の問題」と指摘

2020/04/07 20:58
サイゾーウーマン編集部
加藤綾子、「買いだめを煽らない」と表明したワケ――関係者は「フジテレビの視聴率の問題」と指摘の画像1
『Live News it!』(フジテレビ系)公式サイトより

 4月6日、フリーアナウンサーの加藤綾子が、キャスターを務める報道番組『Live News it!』(フジテレビ系)で、「『it』は買いだめを煽りません」と異例の表明を行った。新型コロナウイルス感染拡大による安倍晋三首相の緊急事態宣言準備を受けて、買いだめの自粛を訴えた形だ。

 これまでテレビの報道では、マスクやトイレットペーパーなどの買いだめを報じる際、ことさら「品薄」を強調するかのように、ドラッグストアやスーパーの空っぽになった商品棚を映し出すなどして視聴者の不安を煽り、一部から「買いだめを助長させている」と批判の声が上がっていた。今回の同番組の表明に対し、ネット上では「メディアがすべきことを理解した良い対応」と評価する声がある一方で、「煽りません宣言が煽りになる」と批判的な声も見られる。

 そうした中、「買いだめの自粛を訴えるふりをしながら、実は視聴者の不安を煽っていたという自覚は、テレビ局側にもあったんでしょうね」と皮肉るのは、全国紙の新聞記者。

「我々のような報道機関で働く者は、報じる側のリテラシーを研修などで身に付けていますが、ニュース以外にドラマやバラエティも放送するテレビ局はそうではありません。ましてや、現場で中心になって動いているのは下請けの制作会社のスタッフですから、『センセーショナルな画さえ撮れればいい』というスタンスになってしまいがち。『煽りません』とはいうものの、実際どのように報じるんですかね」

 “買いだめを煽らない”ためには、買いだめを取り上げないのが一番だが、現実に不測の事態が起きている以上、ニュース番組としてはこれを報じないわけにはいかない。空っぽになった商品棚や商品を求めて行列をなす人々の映像を流さない、ということだろうか。


「テレビに限らず、メディアには意図しなくても、報道に触れた人を煽ってしまう特性があります。特に、テレビはそれが顕著。仮に新聞や週刊誌がセンセーショナルに報じたとしても、購読者が能動的に自ら記事を読もうとしない限り、目にすることはありません。しかし、テレビは受動的なメディアであり、視聴者の意図にかかわらず映像や音声が流れてきます。『it』が視聴者を煽るような映像を流さず、どんなに気をつけて報じたとしても、画面を見ていなければ“買い貯め”や“モノ不足”といったわかりやすい言葉だけが耳に入ってくるので、多少なりとも不安を煽られるのでは。でも、テレビ局が一定の良識を持って報じるというスタンスは、評価すべきだと思います」(前出・全国紙の新聞記者)

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