サイゾーウーマンカルチャーインタビュー弁護士が「炎上有名人」のSNSを斬る カルチャー 弁護士・清水陽平氏インタビュー はあちゅう氏の「血クレ」反論は“論外”――ネット中傷対策の弁護士が「炎上有名人」のSNS投稿を斬る 2020/03/25 11:40 安楽由紀子 インタビュー はあちゅう公式ブログより 有名人のSNS炎上が後を絶たない中、最近では一般人からの批判に「反論」を行い、注目を集める人物も少なくない。中でも、最近特に話題を呼んだのが、エイベックス代表取締役会長CEO・松浦勝人氏、はあちゅう氏、MLBシカゴ・カブスのダルビッシュ有投手だ。この3人の炎上パターンは、SNSでの言動がネットユーザーから批判され、それに対して本人が反論し、それがまた再反論を呼んで炎上が拡大していくといったもの。有名人本人が、SNSで批判に真っ向から反論することは、炎上リスクを爆発的に高めているように思えるが、ネット中傷、ネット炎上対応に詳しい法律事務所アルシエンの弁護士・清水陽平氏はこうした行為をどのように感じるか、話をお聞きした。 本来なら炎上を回避できた、松浦勝人氏の「Snow Man・ラウール」制服写真騒動 ――有名人が、一般ユーザーの批判に対して反論を行うのは、炎上リスクを高めているように思うのですが、こうした振る舞いをどのように思いますか。 清水陽平氏(以下、清水氏) おっしゃる通り、人は反論されると、再反論したくなるものなので、炎上リスクをさらに高めていると思います。昔からネットでは「スルースキルが重要」と言われますが、まさにそれを「試されている」と言っていいでしょう。ただ必ずしも黙っていればいいというわけではありません。 ――例えば有名人が、炎上リスクを回避しながら、批判に対して自分の意見を主張したいときには、どうすればいいでしょうか。 清水 ネットユーザーは感情的になっていることが多いので、それに対して、また感情的に反論すると炎上する。ですから、冷静に客観的な証拠を出し、論理立てて説明すれば炎上リスクは回避できると思います。例えば、松浦氏の炎上ケース(※1)がそう言えるでしょう。 芸能人の場合は「オフショットを公開してほしい」という人もいるので、本人や事務所、学校への許可さえあれば、出すこと自体はいけないわけではありません。松浦氏は一度削除したものの、数時間後に「#制服許可済み」とハッシュタグを付けて公開している。ファンからは「一回世に出してしまったから、学校側も仕方なく許可を出したのではないか」という声がありましたが、松浦氏が「その点も含めて確認しました」「ここはあえて出そうということになった」など、なにかしら経緯の説明を行えば、ファンも納得できたはず。しかし、松浦氏は「あなたどれだけの人なの?」などと感情的に反論しています。結局、「感情 対 感情」になってしまい、炎上が拡大してしまいました。 (※1)松浦氏が2月19日、1月にエイベックスからデビューしたジャニーズグループ「Snow Man」とのオフショットをTwitterで公開。未成年のメンバー・ラウールが制服を着用した姿で写っていたため、「学校特定」を危惧したファンが、松浦氏に写真削除を求めると、いったんは削除となったものの、数時間後に「#制服許可済み」のタグをつけて再アップ。それでも批判が止まらないと見るや、「間違いを認め、そして、学校にも許可を取り、していることに対してあなたは何者のつもりでこれをいうの? 分からん。あなたどれだけの人なの?」「なんか、一生懸命曲を作ろうと思ってんのに腰を折られるよね。なんだな自分が守ってあげてんだ的なひとたち。わずかだけど俺たちのやる気が失せて、いいことがあるのかね」など、ファンを挑発するようなツイートを連発した。 次のページ 炎上が絶えないはあちゅう氏、本人が著作権侵害の可能性も 123次のページ Yahoo サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル 第3版/清水陽平 関連記事 キャベツ枕、手作り目薬――「自然派ママ」炎上、「正義が悪を罰する構図」を小児科医が危惧するワケグルタチオン配合の「白玉点滴」「美白サプリ」はニセ医学? 医師に聞く「証拠はほぼない」恐るべき実態フォースコリー、メリロート、はとむぎエキス……専門家が「人気美容サプリ」の落とし穴を解説iHerbで購入できてしまう、3つの「危険な海外サプリ」! 専門家が注意点を徹底解説ダイソー100円サプリ「ギャバ」は「根拠なし」「薄めただけのもの」!? 専門家が大ヒットの裏を読む