【連載】傍聴席から眺める“人生ドラマ”

宗教団体の内部で起きた「窃盗未遂」事件――“手かざし”では救えなかった、50代女性の深い闇

2020/03/22 11:00
オカヂマカオリ(ライター)

Y子には「警察に脅された」過去がある?

(C)オカヂマカオリ

 しかし、ただ一点だけ、Y子が自ら具体的に話したことがありました。「財布を拾ったとき、なぜ警察に届けなかったのか?」という質問です。

Y子 元夫のDVで、(自分が)通報したり、よく警察には行っていたけど、放置されたり脅されたりと真剣に取り合ってくれなかったので、行くのが怖かった。

 なぜかここだけ、必要以上に詳しく理由を話していたのです。しかも、今回はその元夫(と思われる人)から、Y子を減刑してもらうための“嘆願書”も出ていました。Y子は過去、警察にどんなひどいことをされたのか? Y子と元夫の間に何があったのか? このあたりに、被告人のバックグラウンドを読み解くヒントがあるような気がします。ちなみに、裁判中はY子が入信している新興宗教の名前も出ました。「“手かざし”では救えないこともある」と学んだ事案でした。

オカヂマカオリ(ライター)

オカヂマカオリ(ライター)

絵も描くライター。傍聴デビューは結婚詐欺師のクヒオ大佐。興味を持った方は古書店で『裁判トリセツ』(インフォバーン刊)を探してみてください。

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最終更新:2020/03/22 11:00
天啓により授かった手かざしの気療
こういうときこそ救ってほしいのに