サイゾーウーマンカルチャーインタビュー自然派ママ炎上、小児科医危惧するワケ カルチャー 「ゆめこどもクリニック伊賀」院長・加納友環先生インタビュー【前編】 キャベツ枕、手作り目薬――「自然派ママ」炎上、「正義が悪を罰する構図」を小児科医が危惧するワケ 2020/03/07 16:00 「ゆめこどもクリニック伊賀」院長・加納友環先生 インタビュー 自然派育児の炎上多発、複雑な気持ちも では、昨今SNS上で自然派育児をめぐる炎上が増えていることを、加納先生はどのように見ているのだろうか。 「私が情報収集目的でSNSを始めた2016年にも、『これはいかがなものか』と感じる自然派育児の間違った情報が散見されたのですが、特に炎上もせず、放置されていました。当時はSNSをやっている医療従事者はあまりおらず、ここ1~2年で、だんだんと『正しい医療情報を発信していこう』と考える方が増えていった印象。それに伴い、情報が間違っていると指摘されやすくなったのが、炎上増加の原因ではないかと考えます」 こうした状況が生まれたこと自体は「良いこと」と捉えているという加納先生。しかし、「正義が悪を罰するような構図になってきていることは、いかがなものかと思います」と複雑な気持ちを抱えているという。 「民間療法を勧める人に対して、『お金儲けのための商売としてやっているのではないか』といった指摘が入るケースを見かけるのですが、それはある意味正しい意見ではあるものの、信じている患者さんまでもが激しく叩かれる風潮があります。『病気を治したい』という必死の思いで、でも『化学療法の副作用が怖い』と不安を抱く患者さんに対し、『ヘルスリテラシーがない』などと見下したような言い方をするのはどうなのだろうかと感じるのです。SNSは匿名ユーザーが多く、言い逃げができるため、こうした厳しい物言いになりがちという面はあるのかもしれません」 頭ごなしに「間違っている」「おかしい」と言われると、心を閉ざしてしまう人もいるだろう。結果的に「正しい情報」が伝わらない可能性もあるだけに、指摘の仕方についても、今後は考えていく必要があるようだ。 後編では、なぜ自然派ママが生まれてしまうのか、その背景について、加納先生に考察していただく。 (解説=「ゆめこどもクリニック伊賀」院長 加納友環先生/取材・文=サイゾーウーマン編集部) 加納友環(かのう・ともわ) 三重県伊賀市小田町「ゆめこどもクリニック伊賀」院長。2児の父親である小児科医ということから「パパ小児科医(ぱぱしょー)」の名で、育児情報サイト「ぱぱしょー.com」を運営。Twitterやインスタグラムでも情報発信を行っている。 「ぱぱしょー.com」 インスタグラム(@papa_syo) Twitter(@papa_syo222) (後編につづく) 前のページ12 最終更新:2020/03/09 12:52 楽天 小児科診療ガイドライン〈第4版〉 ─最新の診療指針─ 見下されると反発してしまうこともある 関連記事 新型コロナウイルス流行で大打撃! 2020年花粉症シーズン「マスクがないとき」の対策を耳鼻科医に聞く「低気圧頭痛の対策に着圧ソックス」は意味ナシ! 医師が片頭痛の原因と予防の“正解”を解説「温活」「冷え取り」は健康にいい? 内科医が「体温が上昇」「体調不良が治る」と言えないワケインフルエンザ予防に「紅茶」は真っ赤なウソ!? 「予防接種が一番」と感染症の医師語るグルタチオン配合の「白玉点滴」「美白サプリ」はニセ医学? 医師に聞く「証拠はほぼない」恐るべき実態 次の記事 ガラケーの実力は「iPhone11レベル」 >