【テラスハウスレビュー】凌に振り回されるビビと花……愛華の「高みの見物」感に思うこと
「今起きている全てが自分の責任」「愛は自分の中で作るもの」など、自己啓発書から飛び出してきたようなポジティブ発言が得意なビビ。スタンドアップコメディアン志望の快が、ネタで滑って落ち込んでいると、ビビは「自分の一番悩んでることある? それをテーマにした方が一番熱く話せるじゃん」と相談に乗ろうとする。快が「何で生きてんのか、っていうのが一番多い」と答えると、ビビは「本当にそれ考えてるの!?」と呆れ気にツッコみ、「かっこいいから今言っただけじゃなくて!? 本当にそれを?」と疑いの目を向けていた。
コメディーのネタにするにしては「何で生きてるのか」は確かにざっくりしすぎているかもしれない。しかし、「何で生きているのか」というそもそもの部分に疑問を持っておらず、「本当にそれ考えてるの!?」と言えちゃうタイプのビビだからこそ、あそこまでポジティブ&正論を誇って生きていけるのかもしれないと納得した。
愛華、高みの見物(テラスハウス第30話、31話)
ハッキリしない凌に振り回される花とビビ。愛華は「凌くんに聞いちゃおうかな、もう!」と張り切り、凌をプレイルームに呼び出した。凌から、花への気持ちはないこと、ビビに対しても「きれいだと思うし、話ができる。けど、遠距離恋愛する気はない」と進展させる気がないことを聞き出した。
だが、花とビビの待つ女子部屋に戻ると、「いろんな話、できた~」ととぼけるのみ。花は詳しく知りたがるが、「当事者じゃないから……。でも聞けて良かった」と思わせぶりに言うだけで、花にもビビにも「まだわからないよ、(凌は気持ちを)出してないだけかもしれないじゃん。どうしようっていう段階だと思う」と、なぜか知り得た情報とは逆のことを言って微笑む。
その表情には、精神的余裕を取り戻した、愛華の“高みの見物”感がよく現れている。その余裕は、トパスから好意を寄せられたこと、また、トパスが「自分を叩く視聴者」に言いたいことを全部代弁してくれたことにより、生まれたものだろう。なんとも素晴らしい表情であった。