「お金を払うのがイヤ?」母の死後、伯母から不可解な“金銭要求”――一族に入った亀裂
父親の顔を見に実家に行こうとしても、伯母の家を通らないといけないので、行くに行けなくなってしまったと浅倉さんは言う。
「幸い、父は祖母や伯母ともともと距離が近かったわけではなかったので、今までどおり、いえ母がいなくなった分、羽を伸ばしているみたいです。兄からの報告ですが。ただ食事や掃除とかが気になるので、実家の近くに住んでいる兄にときどき様子を見に行ってもらっています。父親のところに、兄家族の分も一緒に食べ物を送って、取りに行くついでに様子を見てもらうとか、一応兄や兄嫁にも気を遣っているんです」
それでもあまり浅倉さんや兄が父の世話を焼こうとすると父が煙たがるので、家事代行サービスをお願いしようかと話しているところだ。
「伯母との関係が変わると、あんなにしょっちゅう会っていた従姉たちとも会わなくなりました。今までのあの生活は何だったんだろうと思うくらい。祖母は幸い元気にしているようですが、もう伯母家族に任せておけばいいのかなと」
そのかわり、というわけでもないが、浅倉さん家族は夫の実家に帰る回数が増えた。付き合いのなかった夫の兄家族とも付き合うようになっている。
「夫の両親は元気に暮らしてはいるんですが、田舎なので古くて大きな家にとにかくモノが多いし、泊まるのにも勇気がいるくらい家の中も汚いんですが……。これで介護が必要になったり、家を片付けたりしないといけなくなったらどうしようと、兄嫁ともよく話すようになりました」
母親の死で、ひとつの人間関係が途絶え、新しい関係が生まれた。
「母が生きていたら、これまでの関係が続いていたんだろうか」――ときおり、そんなことを考えたりもする。
「今は、家族の時間を大切にしたいと思っています。娘も小学生になり、受験も考えないといけない時期になってきましたが、これからは買い物や旅行も娘と行けるから楽しみです。子どもが女の子でよかった(笑)」
形が変わったとはいえ、浅倉さん家族はこれからも女中心に回っていくのだろう。