[コラム]K-POPタテ・ヨコ・ナナメ斬り

SF9「One Love」から紐解くK-POPとFrench House――Abba・DAFT PUNKにつながるEXO他17曲

2020/02/03 19:00
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French Houseの代表的なアーティスト

 90年代中盤に生まれた、今はFrench Houseと呼ばれるような楽曲をもともとは「Nu Disco」や「Disco House」、「New Disco」などと呼んでいました。「French House」の原型となる「French Touch」というフレーズが87年にパリで行われたクラブイベントに名付けられた説、96年に音楽雑誌のレビューで定義付けられた説など諸説ありますが、99年にMTV UKの特番において、フランスで起こっているこのようなジャンルの楽曲がリリースされる現象を「French house explosion」と呼び、そこからMTV経由で各国に伝わり、French Touchという現象が世界中に「French House」というジャンルとして伝わりメインストリーム化していきます。

 French Houseの代表的なアーティストは、私と同世代もしくは上の方なら知らない方はいないであろう、Daft Punkなどが挙げられます。今までの説明を踏まえ1stアルバムとしてリリースされた『Homework』に収録されている「Around the world」を聞くと、宇宙的な要素を感じさせるシンセの上ネタ、リズムとしての4つ打ちの要素、Funkっぽさのあるベースなど今まで説明したさまざまな要素が読み取れると思います。

 世界的にヒットしたFrench Houseを2つ紹介します。

■Cassius – 1999

■Stardust – Music Sounds Better With You


2010年代のFrench House

 また70~80年代のUS Disco、80年代のItalo DanceやFrench Houseから影響を受け、2000年代中盤頃に「Nu Disco」というジャンルが生まれます。混乱するかもしれませんが、先述の90年代に「French House」を「Nu Disco」と呼んでいた時のものとは全く別物で、オンラインで楽曲配信サービスをする「Juno」や「Beatport」がダンスミュージックをジャンル分けするのに使い出したのが、2000年に入ってからの「Nu Disco」です。02年に、音楽雑誌が「70年代ディスコ/ファンクに現代のテクノロジーと繊細な楽曲制作を適用した結果、誕生した音楽」として「Nu Disco」を評しました。

 具体的には90年代後半~2000年代のEuro Discoの楽曲を「Nu Disco」と命名し直すことでわかりやすくなっただけかなとは思いますが、90年代のリリース当時に「French House」と分類されていたものも、今では「Nu Disco」にくくられたりしているので、「French House」「Disco House」「Electro Disco」などを包括する位置付けになっているように思います。

 2010年代の「French House」「Disco House」などの楽曲をいくつか紹介します。

■Justice – D.A.N.C.E.

■Louis La Roche – Gimme Gimme


■Madeon – The City

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