サイゾーウーマンコラム知られざる女子刑務所ライフ女子刑務所と男子刑務所の違い コラム 知られざる女子刑務所ライフ83 女子刑務所と男子刑務所の違いとは? 元女囚が語る、塀の中の「オンナ」と「オトコ」 2020/01/26 16:00 中野瑠美改め瑠壬(作家) 知られざる女子刑務所ライフ 空気を読む女子と、ミエとメンツの男子 もともとムショにいる女子は男子の10分の1くらいの人数で、犯罪もだいたい個人的なことです。男子のようにヤクザ以外でも半グレや窃盗団などの組織で動く女子はあんまりいないですね。大半の男子たちは組の看板を背負ってムショに来てるので、ケンカもメンツの問題になります。自分だけやなく、親分の、兄貴分の、弟分の顔に泥を塗ったとか、そんなんでケンカが始まってしまいます。 もちろん女子のケンカは、ほぼ100%個人的問題です(笑)。ちょっとぶつかったとか、「アイツ、生意気や」とか、そんなところですね。 そして、男子は組の対面を保つためにお金も必要です。たとえば差し入れ屋(刑務所や拘置所などで日用品などを販売する委託先)から石けんを買うのでも、一番高いボディソープを選びます。「○○組は、安い石けんを使うてるんやな」とか言われてしまうと、組の関係者がみんな恥をかくからです。 女子はそのへんは堅実で、みんな一番安いのを使うし、自分だけ高いのを使うと逆にいじめられることもあります。女子は空気を読んでいるだけですね。でも、そもそもいろんな種類の石けんを売るのがおかしいんと違いますかね。最初から一種類ならモメることもないのに。これは施設と差し入れ屋の利権と思いますが、どうでしょう。 女子刑務所と男子刑務所の違いは、「オンナ」と「オトコ」の違いであり、つまり「社会の縮図」ちゅうことです。 ※この連載が本になりました! 『女子刑務所ライフ!』(イースト・プレス)発売中です。 前のページ12 中野瑠美改め瑠壬(作家) 1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。 記事一覧 Instagram:@rumichibi1209 瑠壬公式YouTube 最終更新:2020/01/26 17:46 楽天 Yahoo 女子刑務所ライフ! 塀の中にも社会がある 関連記事 「京都ダルク」建設反対運動を元“ポン中”が考える――薬物中毒者の大半は凶悪事件を起こしません元女囚が教える「刑務所トリビア」――少年刑務所に「中年」がいる理由とは?元女囚が考える薬物依存治療――ダルクはもっと「経験者」の知恵を生かしてほしいです沢尻エリカもマーシーも「全裸検査」は通る道――元女囚が考える逮捕と留置場元女囚が考える、田代まさし「再逮捕」法務大臣「1週間で辞任」――懲役経験者だからわかること 次の記事 中学受験本番、プレッシャーで「腹痛」に……お試し校「不合格」の親子を救った人物とは? >